欧州交渉術 — 夢を叶えた一発逆転のメッセージ

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【主張せよ、心を込めて】

夢が叶った!明日は5時に起きて取材に行く。

ここまで来るのに、紆余曲折があった。コレもまた交渉である。そして欧州ではこの手の交渉が日常茶飯に起きる。

スイスナンバーワンのビスケットメーカ、K社はスイスの優秀な家族経営の会社の一つである。前々からそういう会社にとってイノベーションとは何か、取材してみたかった。

そこで1月に取材を申し込んだ。ウェブサイトを調べると広報担当がなく、会社の代表e-mailのアドレスしか記載していない。そこで、会社の代表アドレスにメールを送った。

メールを送って2週間、なしのつぶて。取材を企業に申し込んでこんなに返事が遅いことも珍しい。

思いきって会社の代表番号に電話すると担当者は帰宅して不在という。

ここで引き下がれない。せっかく向こう側に人間を捕まえたのだ。こういう場合、闇に消えるようなメールでは埒があかないことは、今までの痛い経験から充分承知している。

「ではあなた宛てにでもう一度メールを送るから、明日は必ず担当の人に届けてください。」人はメールに名前が入ると責任を感じるようになるものだ。電話応対のマダムに、彼女の名前を件名に”Attention”として入れて、またメールを送った。

4−5日して受け取った返事には、心底ガッカリさせられた。

ただの断り。理由もなければ、他の日を提案するでもなかった。

この強い否定のトーンに、さすがの私も諦めかけた。いっそ今まで交換したメールを削除してしまおうと思った。本気だった。

しかし、1日考えて、やはり惜しいと思った。

私は前からK社に興味を持っていた。商品であるビスケットはサラリとした食感でバターの香りがほんのり鼻孔に残る。ウェブサイトに載せられた会社の歴史も、若いパン職人と彼が修業先で出会った村の娘との恋愛ストーリーがきっかけになっていて、なにやら人間くさい。こういう歴史を大切にしてウェブサイトの社史に載せるような会社は悪い会社ではないと思えたのだ。

そこでもう一度だけと思い決めてメールを書き直した。時間と労力の無駄になってもいい、後で後悔したくないというその気持ちだけがエネルギーだった。

そのメールには念を入れて、なぜこのインタビューはK社にメリットがあるのか、読んで直ぐわかるようにに書いた。それも平易な英語で。相手も私と同じ、英語人ではない。外国語を読む苦労はできるだけ減らし,私のいうことに耳を傾けて貰いたかった。

私の取材目的である寄稿先の雑誌は月に1万部発行されているという大規模なものであること、また私はスイス大使館商務部からも寄稿依頼を受けている人物であり怪しい者ではないことを書いた。自分が常々K社を尊敬していること、その証拠にK 社のビスケットの写真を載せたパワポを前に講演する私の写真も添付した。

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国際競争力のあるスイスの中堅企業としてカンブリー社を例に説明しているところ(京都イノベーションセミナー)

私が日本のセミナーでは毎回そのビスケットを二箱スイスからカバンに詰めて持参して会場で参加者に食べて貰っていることも書いた。

これでダメなら、私がこの会社を嫌いになっても仕方がないと思った。それは私の覚悟だった。

まさかの一発逆転。

翌日昼過ぎに、会長のアシスタントから丁寧なメールが入っていた。

今まで散々手こずったのに、打って変わってこの速さ!

私のメールは会長に紹介されたという。事情を知って会長は「業務多忙時とはいえ大変申し訳なかった。ついては今週の木曜日か金曜日のXX時においで頂けないか。」と言っているというではないか!

この予想だにしなかった急転が信じられなかった。

K社が人の気持ちの通じる会社だったことが嬉しかった。

木曜日の予定なら変更できる。先約の相手には丁重に言葉を尽くして事情を話し、そちらの約束は来週に廻して貰うことになった。

さあ、明日は私にとっては伝説だった創業家の3代目社長が出てきてくれる。諦めなくて良かった!私はその人に会いたかった。

彼から直接聞きたいことがある。

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学びのポイント: 今回の経験は、欧州で頻繁に起きる交渉ごとの一つだ。国際ビジネスでは誰もあなたの内心を察してくれない。自分の言いたいことはすべて言うべし。それが相手の 利益になることをわかって貰うこと。人は自分の利害を真っ先に考えるものだ。しかしそこには心を込めて。それは相手に伝わる。

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ただいまメールマガジンの準備を進めています。メールマガジンではブログに書かないことをお届けします。日本人の気付きにくい国際交渉のコツ、文化ギャップをめぐる苦労話など、私の30年に及ぶヨーロッパ実体験からくる話ばかり。他では聴けません。

用意ができたらすぐにお知らせします!

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  • 国内でもグローバル化の進む日本。そんな社会では一人ひとりの違いを価値に変えて仕事ができる人が必要です。そのような人々はあなたの職場を活気づけ成長させる人財でもあります。グローバル人材育成プログラムの詳細はこちらをごらんください
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  • 私が30年間欧州で経験してきた日本人としての生き方と働き方、国際ビジネスのコツや気づき、ダイバーシティとイノベーション、などをテーマに講演、セミナー、執筆、取材を致します。

 

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投稿者: Yoshiko KURISAKI (栗崎由子)

I am Yoshiko Kurisaki, Japanese, executive consultant specializing in cross-cultural management between Europe and Japan. Being based in Geneva, I travel between Europe and Japan. Culture may be a stop factor in business. That said, if you go beyond that, culture is a vaIuable source of inspirations and innovation. I help European businesses to turn cultural barriers to innovation.   栗崎由子(くりさき よしこ)、ダイバーシティ マネジメント コンサルタント。約30年間欧州の国際ビジネスのまっただ中で仕事をしてきました。その経験を生かし、日本発グローバル人材を育てるための研修やコンサルティングを行なっています。文化の違いは”面倒なこと”ではなく新しい価値を生み出す源泉です。日本人の良さを国際ビジネスに生かしながら、違いを資源に変えて価値を創造しましょう。

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