憧れの西陣電話局、願いはいつか叶う

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【願いはいつか思わぬカタチで叶う】

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12月23日にワークショップとトークショウをさせていただくインパクトハブ京都。
ジュネーブのインパクトハブの姉妹が京都にあるなんて!

その場所を地図で見て、またビックリ。
旧西陣電話局の建物を使っているなんて!

その名前には憧れがありました。
私が社会人として歩み始めたのは今のNTT、当時は電電公社と呼ばれていました。

新入社員研修のプログラムには局長講話という科目がありましたが、電電建築局長のお話しが新入社員の私には一番分かり易くて面白かったのです。というのは建築局自慢の電話局の建物を次々にスライドで見せてくれたので。

その中でも最も美しく、文化遺産としても重要なのが西陣電話局でした(旧京都中央電話局西陣分局舎)。今ではNTT西日本西陣ビルと名を変え、また重要文化財となっているそうです。

講話をされた建築局長のお名前は忘れてしまった私です。けれども「この優雅な壁面の彫刻を見てください。電話局にもこんな建築が許された時代があったのです」という意味のことを仰ったことを良く覚えています。

その西陣電話局に入れる!

その中で、私の尊敬する知恵ある小国スイスの目を見張るようなダイバーシティを御紹介できる、そこから何を学ぶか、皆さんと一緒に考えることができる!
願いはいつか思わぬカタチで叶うんですね。
今からワクワクしています。

皆様、西陣電話局で日本を元気にする方法をご一緒に考えませんか?
遠方の方、オンライン参加もできます。

12月23日 15時から20時半まで
地球市民塾 京都スピンオフ

1部:「イノベーションを生み続ける、スイス式ダイバーシティ・ワークショップ」
2部:「世界の第一線で日本人が活躍できる秘訣を探る座談会」
会場 インパクトハブ 京都
京都市上京区油小路中立売西入ル甲斐守町97番地 西陣産業創造會舘(旧西陣電話局)

詳しいプログラムとお申し込みはこちらからどうぞ
↓   ↓   ↓   ↓   ↓
https://kyoto.impacthub.net/event/kurisaki/

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ジュネーブと国際会議と(6)人見知りだった私が、国際会議で実行していること

私は、人見知りの子供でした。外に出て友達と遊ぶよりも、家で好きな絵を描いたり、本を読んだりしている方が好きな子どもでした。

幼稚園の頃は、「月曜病」だったそうです。月曜日の朝になると腹痛を訴えたと、母から聞きました。家で気ままに過ごした週末の後、幼稚園に行くのがいやだったのでしょう。

母も、欠席の連絡を受けた幼稚園の先生も、私の幼い病気に気付いていました。けれども、先生は無理強いせず、「ああ、よしこちゃん、またね。元気になったらいらっしゃい。」と言ってくださったそうです。

こういう人見知りの私ですが、おとなになると、そういう理解ある先生ばかりに囲まれて過ごすわけにはいきません。

ITUの会議に出席するようになって間もなく、気づいたことがあります。国際会議で必要なのは、発言の善し悪し(内容の正しさ、建設的な意見か、など)もさることながら、人としての信頼が同じくらい重要なのです。そのためには、日頃から、会議場の中と外で多様な人々と知り合い、信頼関係を築いておかなければなりません。

反面、会議に初めて参加した人の発言力は、どうしてもその実力以下になってしまわざるを得ません。これは、仕方ありませんね。それもまた、国際会議という意志決定過程のルールのうちなのです。だからこそ、ある人を何年間にも亘り同じ会議に出席させることは、それだけで大きな発言力を得るために大変役立ちます。

人見知りの人間が、国際会議で他の人と知り会って行くにはどうすればよいか?これは私にとって大きな課題でした。

ジュネーブ旧市街。石の壁に残るホタテ貝の印が、巡礼宿だった歴史を語る。
ジュネーブ旧市街。石の壁に残るホタテ貝の印が、巡礼宿だった歴史を語る。

いろいろな経験を繰り返した今、私は、どんな会議でも、セミナーなどでも、毎回自分に二つの宿題を出しています。

一つ目は、必ず、何か一言、発言すること。意見でも質問でもいいからとにかく、一回は声を出す。

二つ目は、毎回、知らない人最低3人と話しをする。

一つ目の宿題は、NTT時代の上司だった、Kさんを見習ったものです。この点については、6月号のこのコラムでお話ししましたね。

二つ目は、自分で作り出した宿題です。

どんな会合でも、毎回知らない人3人と話すこと。または、既に知っている人と、新しい話題で話すこと。

なぜそんなことをするかというと、人に話しかけることを楽しくしたいからです。逆に言うと、宿題を出しておかないと、人と知り合うことに一歩を踏み出せない人見知りの私が、まだ心のどこかにいるのです。

そういう自分をどうにかしようと思い、一人でこのようなゲームをすることを思いつきました。ゲームと思えば、軽い気持ちで実行に踏み切れます。それがこの二つの宿題なのです。

ゲームですから、一つ出来る毎に、自分にご褒美も出しています。一日の会議を終えた後、夕食前のビールなどは、励みになります。こうやって、自分に人参を与えるわけですね。

人と知り合うことに億劫さを感じる人は、どうも私だけではないようです。大人になると、人付き合いの面でも自分の領域がしっかりできてきます。その反面、 多くの人は、新しい人と知り合うことを面倒に思うようになるのではなでしょうか。

人に話しかけることを億劫に思わないコツは、相手への関心です。目の前にいる人に対し、どんなひとだろう?と興味を持つことです。人は誰でも、情報の宝庫です。相手の知っていることに興味を持ち、聴くことを楽しんで下さい。そうして、その人と知り合ったことを喜び、たとえ5分でも、一緒にいる時間を楽しみましょう。まして国際会議の場では、広く世界から、思いもかけなかった話題が集まって来るのですから。

最後に、私に一つ目のヒントを下さり、今も尊敬する先輩のKさんの詩を、ここにご紹介したいと思います。これは、「歳を取ったら」というシリーズの一作です。けれども、ここに込められたメッセージは、年齢に関係なく、誰にでも受け止めて頂けることと思います。

歳を取ったら

孤高を目指してはいけない

ネットワーカーになろう

様々な人との出会いが

人生を豊かにしてくれる

歳を取ったら

もらっているばかりではいけない

情報を発信しよう

ささやかな贈り物を

喜んでくれる人がきっといる

(上記の詩の引用に当たっては、作者、K様のご承諾を頂きました。)

この連載は、今回が最終回となります。皆さま、六ヶ月間ご愛読をありがとうございました。

国際会議でのコミュニケーションについて、講演や研修を致します。まず、メールでご相談下さい。

Yoshiko.Kurisaki@gmail.com

掲載: ITU ジャーナル Vol. 43, No. 9, 2013年9月号

ジュネーブと国際会議と(4)国際会議のお手本——先輩の方々

私がITUの会議に出席し始めた頃、日本代表団としてご一緒させていただいた先輩方からは、数え切れないほど多くのことを教えて頂きました。その方々はきっと、私に何かを教えようとは意識していらっしゃらなかったと思います。けれども、国際会議1年生の私にとっては、先輩の皆さまにとって当たり前のこと一つ一つが、すべて勉強でした。

K社のOさんは、当時既にCCITT(現ITU-T)SGII副議長の要職に就いておられました。会期も大詰めに近づくと、分科会で出された結論を持ち寄ってSGII全体で討議する、大きな会合が始まります。その会議で、Oさんは議長団の一人として、いつも壇上の席におられました。私が遠くから拝見すると、長身で細身でいらしたOさんは、いつも口元に穏やかな微笑みを浮かべておられました。

それだけでも大変なことなのに、どうでしょう!Oさんが、言葉を選んで、静かに、ご発言を始められると、大勢の参加者がシンとして耳を傾けるのです。今まで、お互いに強い言葉で、激しい議論をしていた人たちが。

Oさんは、柔らかいお声で、ゆっくりとお話しされます。英語はお上手でしたが、立て板に水のような話し方ではありません。そのOさんの言葉を一言も聞き漏らすまいとするかのように、会議場にいる人々が、 一心に耳をそばだてています。

それを目の当たりにして、話す内容に実があれば、人は一生懸命に聴くのだとわかりました。英語のうまい下手、声の大小ではないのです。Oさんのそういうお姿に、国際会議1年生大いに励まされました。

ITUに限らず、多くの国際会議は英語で進められます。英語が自分の言葉である人たちが会議に馴染みやすいのは自然なことです。同時に、発言や提出文書の論理の組み立て方も、どこか英語文化の影響を受けてしまうものです。

けれども、国際会議は長丁場です。焦らなくて良いのです。会議は、時間をかけて議論し、相手の発言に耳を傾け、必要なら根回しをするプロセスでもあります。Oさんのように、ご自分のお考えをゆっくり話す方が、英語が母国語ではない大多数の会議参加者にとっては、発言が分かり易くて良いのです。発言内容を理解されるということは、国際会議では大きな強みです。発言の内容自体が参加者の役に立つものであることは、言うまでもありませんが。

もうお一人、Oさんと同じK社のTさんにも、そのお仕事ぶりに多くを勉強させていただきました。

Tさんは、私が出席していた研究会期に、クレジットカード通話利用手順の標準化をテーマにする、ワーキングパーティー(WP)の議長を務めておられました。私も会期の初めからこのWPに参加して、勧告案(ドラフト)作成作業を経験しました。

当時のCCITTでは、各研究会期の初めに、勧告案作成のために課題別のWPが作られました。つまり、WPの仕事が、同じ時に一斉にスタートするのです。

ところが、会期を重ねるにつれ、各WPの進捗状態に差が出てきます。競争するわけではありませんが、勧告作成の進み方の速いWPと遅いWPが出来てくる。

その中で、Tさんの議長を務められたWPは、一番進捗の速いことが誰の目にも明らかになってきました。

Tさんは、WPメンバーの誰よりも沢山仕事をされるのです。Tさんはいつもドラフトを用意して会議に臨んでおられました。勧告書の作成ですから、その文案は一語一語慎重に検討されます。その議事を捌き、修正案を提案するのは彼。修正が合意されると、その文案を盛り込んだ、第x版勧告書案を作成するのも彼。WPの進捗状況報告を書いて、SGII議長に提出するのも彼。

そういうTさんの、お仕事ぶりを終始拝見し、建設的な意見を提案する人間が、結局は会議を引っ張っていくことがよくわかりました。新しい勧告を作るという、いわば無から有を作る任務を負った会議の場合、その議長の仕事は、次々に具体案を提案していかなければならないのだと思いました。

私はたまたま他のWPメンバーでもありましたが、その議長はTさんのような仕事の仕方をしていませんでした。彼は、「WPメンバーが、勧告案を提案してくれない」とぼやいていましたけれど、勧告案作成は全く前に進みませんでした。

その他にも、国際会議のお手本を見せてくれた先輩方は、大勢おられました。

私が参加するまで、日本代表団のたった一人の女性メンバーだったNさん。緊張してカチコチになっていた私には、誰とものびのびお話しをされるNさんのお姿が、お手本となりました。

K社研究所でISDNを担当しておられた、闊達なIさん、SGIII(国際電信電話料金)で、議長として素晴らしいバランス感覚を発揮され、ともすれば縺れがちになる議論を見事に捌いておられたMさん、国際電話料金の専門家として当時から重みのあったSさんなども、皆、尊敬する、国際会議の大先輩でした。

掲載: ITU ジャーナル Vol. 44, No. 7, 2013年7月号

国際会議一年生の教科書(2)発言は出だしが大事

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【これだけは身につけて、きっと役立ちます】

ぴーちゃん、この前は、私は発言する前にまず手元にメモを作り、要旨を書き出してから手を挙げる習慣を身につけたという話をしたよね。

私は20年ぐらいの間、国際機関、NGOなどでいろんな国際会議の経験を積んで来た。けれども、準備が大事だということは今も変わらないのよ。

きょうは発言のしかたについて話そうか。

発言のコツやはなしのまとめ方は、ひとりひとりの個性や経験により様々なもの。私がこれから話すことは、ひとつの例として聞いてね。

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発言は出だしが大事です。

出席者が10人に満たないような小規模の会議ならともかく、会議の規模が大きくなるほど、発言者の伝えたい細かなニュアンスは伝わらなくなるものです。日本語のコミュニケーションは、相手の気持ちを思いやる細やかなニュアンスに満ちているますが、国際会議の大きな会議場では残念ながら、それは伝わらないと思って下さい。

そもそもあなたの発言を聴く相手があなたと同じ文化を共有していないのです。言いたいことをハッキリ言わなくてもわかってくれる人は、ここには誰もいません。

その上英語は会議に出ている大多数の人にとって自分の母語ではないのです。

一度や二度の発言で細かいニュアンスまでわかって貰うことは諦めましょう。

国際会議を見ていると、言葉は平易で、発言内容の論理構成は単純な方が、発言の主旨は良く伝わることがわかります。英語を使い慣れていない人々にも分かり易い語彙で話す、発言の論理は、聴き手にフォローしやすく組み立てる、この二つを心がけると大勢の人々にあなたの意志が伝わりますね。

伝わることは、理解の第一歩です。

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国際会議開場の一コマ (世界電気通信連合, ITU、ジュネーブ)

ではどうやって?

発言を聴く相手の心構えを、最初に作ることです。例えば発言を始めるときに、よくこういう言い方をします;

「私は、○○について、三つの点を申しあげたいと思います。」

その応用形としてこういう言い方もできます;

「私は、○○について、一つの質問と、一つの意見(Observation)があります。」

つまり、このようなやり方で、聴き手に私のメッセージをフォローする道筋を作る、言い換えると、あなたの発言を聴く枠組みを最初に提供するのです。

もう一つ大事なことがあります。

ゆっくり話しましょう。

私は子どもの頃から早口でした。母には、「もっとゆっくり話しなさい」とよく言われました。こういうことは、自分では意識していないので、どうも困ります。けれども、会議の時は、早口は相手に理解されない結果を招くので、結局はあなたの損。ゆっくり話すことを心がけましょう。

国際会議の場では、誰でも緊張します。そこに英語の苦手感が加わると、人は早口になってしまいがちです。

どうぞ、リラックスして下さい。ゆっくり話して恥ずかしいことは何も無いのです。それどころか、あなたの発言が聴き易くなり、英語の苦手な多くの出席者には感謝されるでしょう

発言するのは、他の人に自分の意見を分かってもらうためです。賛成反対は、分かってもらった後のことです。

もう一度言います、発言は出だしが大事です。

発言の出だしを工夫すると、あなたの言いたいことが分かって貰えるようになります。すると、会議が面白くなります。

掲載: ITU ジャーナル Vol. 43, No. 5, 2013年5月

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最初の国際交渉 2 — 国際交渉の現場から (8)

前回述べたように、私にとって最初の国際業務は、1985年、国際電気通信連合(International Telecommunications Union,ITU)の標準化会合への出席でした私の担当したのは、現在の組織で言うITU-T、当時の名称CCITT(Comité Consultatif International Téléphonique et Télégraphique)、に属する標準化項目でした( http://en.wikipedia.org/wiki/ITU-T)。CCITTには13のStudy Group (SG)がありましたが、私は利用者に関連の深い課題を扱うSG2を担当しました。

“E116勧告、クレジットカード通話手順”は、私が勧告作成に参加した最初の課題です。KDD(当時)の谷正喜(たに まさき)さんが、ラポーター(課題検討グループの議長はこう呼ばれました)を務めておられました。谷さんからも、多くを学びましたが、それは後述します。

E116勧告の目的は、発信者がクレジット通話サービス(通話料金を発信者でも、受信者でもない、第三者に課金する通話サービス)を利用する際の、手順の標準化でした。ここでいう手順は、通話者(人)の手順を指します。

私は、全くの素人だったので、課題検討グループに参加するかたわら、クレジット通話の技術、課金方法などテクニカルな事項をせっせと勉強しました。そのために、NTTの通信研究所にいた同僚に資料を送って頂きました。ところが、私は業務系の人間なので、技術には明るくありません。研究所の作成する書類を読み解くのは骨が折れました。それでも門外漢ながらも、クレジット通話サービスには多くの決まり事があって初めて成り立っていることだけは、わかりました。

また、どんなサービスにも専門分野があること、特定サービスの専門家ではない私が、標準化会議に出席して、どのような役割を果たせば、会議全体にも、また私を送り出したNTTにも役立つのだろうか、という問題意識を持ち始めたのも、クレジット通話サービス標準化にガップリと取り組んだおかげでした。

クレジット通話サービスは、当時は「クレジットカード電話 」と簡略に呼ばれることもよくありました。買い物に使う、VISAカードのようなクレジットカードを使って支払いのできる通話、と誤解されたことは頻繁でした。私は、これだけはにわか勉強をしたおかげで、このサービスの要は、カード自体ではなく、クレジット通話サービスを利用するための番号だということに気がつきましたが、その当時は、電話とクレジットカードを結びつけるかのような呼称が新鮮に思われて、こんな誤解を生んだのかも知れません。

この記事は、NPO国際人材創出支援センター(ICB) ウェブサイトに連載されています。