言葉は贈り物ー国際会議こぼれ話

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【今私がそれをいわなくても、と思ってませんか?伝えなければ伝わらないんです。】

その時、オバムさんは真っ黒い顔をくしゃくしゃにした。心から嬉しそうな表情、そこには安堵もまた混じっていた。

先週、私はある国連関係の国際会議に出ていた。日本代表団のために議事録を書くのが仕事だった。

オバムさんは、その議長を務めていた。

決して易々とは行かない数々の議題、一筋縄では行かない、会議のベテランたち。

四日間の会期中、オバムさんはいつも冷静で忍耐強く、謙虚で、どの人の意見も尊重しながらも、テキパキと議事を捌いていった。時にはユーモアを交えながら。

この人は素晴らしい!とおもった。

最終日、すべての討議項目を終え、会議が閉会したとき、私はオバムさんに感謝したかった。こういう会議の常で、最後に会場の参加者は議長の労をねぎらって拍手をした。だから、その拍手の中で私も議長に感謝していたんだけれど、それだけで終わらせたくなかった。私は、自分の気持ちを彼に伝えたかった。

会議が終わり、人々が退場しかけた頃、オバムさんは全ての仕事を終えて議長席から降りてきた。彼の廻りには誰もいなかった。

チャンス!

私は迷わず彼に近づいて行った。

「ミスター・オバム、あなたの素晴らしいチェアマンシップをお祝いさせてください。私は、かれこれ20年近くこの組織の会議に出ていますが、あなたはその中で私の出会った最も素晴らしい議長の一人です。」

その時だ、彼が顔をくしゃくしゃにしたのは。

彼のその顔を見た瞬間、「あ、言葉は贈り物なんだ!」と気づいた。

そしてまた、安堵が彼の顔に走ったのを見て思った。

彼に面と向かってその仕事ぶりを褒める人は、なかなかいないんだろうなと。

彼だって、自分が議長として良い仕事をしていたかどうか、会議に出ていた人の評価は気になるだろう。

思い切って、オバムさんにお礼を言いに行って良かった。

気持ちを伝えに行って良かった。

オバムさんは、私からの贈り物を受け取ってくれた。

表現して、良かった!

自分の気持ちは、伝えなければ伝わらないんだ!

ITU会議場

国際会議場, ITU(国際電気通信連合)

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