点を繋いで ー 国際交渉の現場から (1)

国際人材創出支援センター(ICB)というNPOに参加し、その御縁で8月からエッセイの連載をさせて頂くことになりました。

ICBは、国際会議、国際ビジネスで能力を生かし伸び伸び活動できる人材を日本から育てようという、高い志を持つボランティアの人々により設立されました。ICBに集う、様々な年齢、国際経験を持つ人々は、それぞれの経験から、経済も人の交流も国際化している日本を支える人材を育てることが、急務だという問題意識を持っています。

たまたま私も、20年以上に亘る海外での仕事、生活の経験を役立てられないかと考えていたところでしたから、以前、ある国際NGOで知り合った方からICBをご紹介されたときには、喜んで参加することにしました。

国際交渉の現場という、大きなタイトルを頂いておりますが、まず等身大のテーマで書いていこうと思います。いろいろな場所に頭をぶつけ、時には布団をかぶって泣きながら(大袈裟です)、またあるときは目からウロコの落ちる思いをしながら、ヨーロッパを見る目を私なりに培ってきた来ましたが、その道筋をお話しする中で、こういう生き方もあるということが、少しでも読者の皆さまの御参考になれば心から嬉しく思います。

*************************     第一回 **********************

国際会議、国際ビジネスの体験は、一人一人みな違いますし、だから国際体験についても、人の数だけ、いろいろな見方、考え方があると思います。そこで私も、国際社会でのこんな生き方、こんな見方もあるよ、という一つの例を皆さまにお話しするつもりで、パリ、ジュネーブと繋いだ20余年に亘る私なりの経験と、その中で育んできた考えや感想を綴っていきたいと思います。それが、これから広く国際社会で仕事をしていこうとする皆さまの御参考になれば、ほんとうに嬉しく思います。

第一回全文は、こちらからどうぞ。

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科学、技術、知識をどう使うか?/How do you use Science, Technology and Knowledge?

科学、技術、知識をどう使うか?”、という問いは、
A question asking “How do you use science, technology and knowledge” will be changed,

それを持つ人の生きる姿勢を通じて、科学、技術、知識はいかようにも世の中に着地させられる
when you take the fact “One may use science, technology and knowledge in any way s/he may wish when they are imposed on the value of life of their owner”.

と考えたとき、問い自体が変わります。

あなた(わたし)は自分の得意なことを、どうやってこの世に生かしたいか?
The right question is, “How do you (I) want to use what you are good at in society?”

そんなことを、きょう小出裕章先生の講演ビデオを見ながら、考えました。今福島で起きている原発事故の恐ろしさを、小出先生の分かり易い語り口で解き明かされ、言葉にできない恐ろしさと、日本をそこに追い込んだ無数の多くの力(私自身の無知、無関心を含めて)に対し怒りを感じたことはもちろんですが。

A speech by Dr. Hiroaki Koide, a nuclear scientist at University of Kyoto, has inspired me. He talked about “Nuclear Plant, the melting down of its Myth of absolute safety”, Osaka, 13 May, 2011.

〔引用)
2011年5月13日(金)夜、小出裕章氏がメインとなるイベント『原発「安全神話」溶融』が、大阪の第七藝術劇場で開かれました。(Video is in Japanese)
〔引用 おわり)

では私はどうするか? Then what should I do?

私はこれからも、人と社会と、技術とのギャップを埋めることに、目を向け続けようと思います。技術が少しでも多くの人に役立てられるように。

I will continue working on building a bridge over a gap between People, Society and Technology.

ここで、ささやかですが私の取り組みをご紹介しましょう。Allow me to introduce my humble attempt as an example of may way of make it happen.

今、ジュネーブ大学のCSRコースで卒業論文を書こうと準備をしています。

I am preparing a course thesis for a CSR course I’m taking at University of Geneva.

テーマは、「情報化社会におけるCSRの新たな役割ーウェブ・アクセシビリティーを社会に根付かせるために
The theme is “How would we drive CSR evolution to adapt to the Information Society? — Lessons from Web Accessibility”

目が悪くても、マウスをうまくクリックできなくても、たとえウェブの使い方が良くわからなくても、苦労せずに自分の欲しい情報を探し出せる、そんなウェブの作り方を考案した人々がいます。今まで、調査の仕事のため、何万ページにものぼるウェブサイト(と思います。数えていませんが)を見てきた私にとって、世の中のウェブサイトが、”誰にでも使いやすいウェブ”であることは、ほんとうに必要な事だと痛感してきました。

ましてや、Eコマースの急速に普及した時代です。ウェブは、情報を受け取るだけでなく、列車やホテルの予約をする、など、人が社会にかかわるための手段にもなりました。そのウェブサイトが、ディジタルネイティブでなくとも、誰にでも使えるように作られていることは、情報化社会におけるウェブサイトの社会的使命と言える ーーそこが、私の問題意識の原点です。

Webs have become not only a means to get information, but to interact with society, for example by booking tickets via e-commerce sites. Making webs accessible to a wide variety of people, even for those with disabilities, some visual impairments, difficulty in handling a mouse, is indispensable social role of web sites in Information Society. There are a group of people who are working on such web sites.

けれどもアクセシビリティーを考慮したウェブの普及には、まだ長い道のりが待っています。
There is in reality a long way to go to see user-friendly web sites everywhere in the cyber space.

今準備しているささやかな卒論が、その道のりを歩く人々の列の最後尾に参加することになれば、と願っています。
I wish that I could join with my thesis in the force with people who are working to promote accessible webs in society.

カーシェアリングを災害復興に使えないか?

行動するICTの先覚者、会津泉さんは、情報支援プロボノ・プラットフォーム(Information Support pro bono Platform, iSPP)というグループを作られ、ICTを使った東日本大震災支援を現地の方たちと議論を重ねながら行っておられます。

iSPPのメーリングリストから、仮設住宅に住まわれる方のためにカーシェアリングを立ち上げようとしている方のニュースがありました。カーシェアリングシステムのアイデアそのものは新しくありませんが、被災地の仮設住宅で使うとは!クルマは必需品だが数が足りない、という状況がそこにはありますね。つまり、市場はある。実際郡山市で導入が検討されているそうです。

アイデアはある。それを動かすためのシステムもある。運用実績もシンガポールなどである。

ところが、仮設住宅のある場所で実用に移すためには、費用もさることながら、現地でメンテナンスをする人のいないことが問題だそうです。

震災を機に、こういうシステムが現場で実験を兼ねて利用されれば、素晴らしい経験を積む機会になり、きっと現在の便宜と将来の改良のために役立つでしょうね。将来、「あの震災を機にこのシステムが育った」と言えるようになるといい。そう思って、読者の皆さまにもこの情報を回覧致します。

どなたか、この件で力を貸してくだされる方はいらっしゃいますでしょうか?

ご連絡は、iSPP事務局まで直接お願いいたします。

引用 *******************************************************

被災者向けの仮設住宅にカーシェアシステムを提供。

ドコデモエコカー
http://www.docodemoecocar.org/

日独協会横浜の理事ユーデック氏が中心となって立ち上げたNPOがあります。彼らは被災地への中期的支援策として、「日常の足」である自動車を提供しようとしている。

東北地方は移動は主に自動車に頼っており、一家に2台以上保有している家庭がほとんど。しかし、今回の震災では津波に流されるなど、多くの車が被災にあった。仮設住宅は用地の都合で不便な場所に作られる事が多く、車を失っている被災民として生活に不便であるとの指摘もある。

そこで、仮設住宅に共同利用出来る車と車両管理システムを提供するのが彼らのプロジェクト。車は中古車を購入し、管理用のシステムを取り付けてから現地に送る。車両管理は、既にドイツ・アメリカ・シンガポール等で利用実績のあるキーマネージャー(KeyManager)システムを利用し、運用についてはシンガポールの Car Co-op in Singapore からノウハウを得ている。

使い方はネットから利用したい時間を予約し、現場のキーボックスに認証コードを打ち込むと車のキーが取り出せる分かり易い物。既に日本語対応も済んでおり、ケータイからの予約も可能となっている。既に郡山市の仮設住宅で実現に向けて話が進んでおり、さらに南相馬など他の地域からも要望がきているという。問題は費用。中古車の購入などに国内企業の支援を受けているが、車の燃料費やメンテナンス費などを車の維持には費用がかかる。既にドイツ政府やドイツ商工会議所からも支援の約束は取り付けているが、仮設住宅すべてをまかなうとなると30億以上の資金が必要になると言う。

ハンス-ヘニング ユーデック(Hans-Henning Judek)
KeyManagerの解説ビデオ

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〔略)
ユーデックさんによると、費用以外の問題点として現地にメンテナンス要因が必要で、その人員のあてがないそうです。

車自体のメンテも必要ですが、問題は管理システムのメンテである程度パソコンに詳しい人が必要なのだそうです。

もちろん、雇用対策の面もあるので、管理人になってくれた方にはある程度の費用は支払うつもりではあるとの事。iSPPとして協力できませんか?

(引用終わり) ***********************************************************

通信キャリアにとっては究極のCSRチャレンジ?/Ultimate CSR question for carriers?

3月にガダフィ大佐が携帯とネットを遮断。4月、民主化グループが奪還、更に新たな通信ネットワークを開通。通信のプロは戦争に不可欠。電話会社はこういう場合どうすればいいんでしょうか?エジプトの場合は、外国キャリアは政府に従う他ありませんでした。究極のCSR(企業の社会責任)が問われます。

In March, Col. Gadafi cut off mobile phone and Internet service in March. In April, “a team led-by a Lybian-American telecom” (cited from the source) experts helped to hijack the network back to the rebels and established their own communications network.

This case could be an ultimate CSR (Corporate Social responsibility) question to telecom carriers. In Egypt, foreign carriers, Vodafone and Orange, had to cut the lines as ordered by the Government.

http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703841904576256512991215284.html

Wish you a Happy Easter weekend! Yoshiko Kurisaki
良い週末をおすごしください。 栗崎  由子

東日本大震災 支援のプロが現場で語る

震災現場で支援に当たるプロの皆さまの率直なご意見が、3編に簡潔に纏められています。現場に行った、会津泉さんのメーリングリストから頂きました。

こういうことはなかなか報道されないと思いますので、皆さまと共有致します。クリック!

●現場は限界に来ている
●神戸との違い
●福島原発のおかげで震災情報が消されている
●マニュアルに頼るな。ポリシーに従って行動せよ
●産業への影響
● 記録されないものは記憶されない
●アマチュア無線の有効性
●気の毒な被災者からわがままな被災者への転換
●災害時の行政の役割は被災者の自立を促すこと
●ボランティアの役割と出所

などなど。

どれもみな、貴重な知恵だと思います。

技術を社会に役立てるー「東日本大震災対応・緊急研究開発成果実装支援プログラム提案募集のお知らせ」

行動するICTの先覚者、会津泉さんの主催するMLから廻って来たお知らせです。

”RISTEX(社会技術研究開発センター)から「東日本大震災対応・緊急研究開発成果実装支援プログラム提案募集のお知らせ」が出されました。

〆切は4月22日です。皆様と議論してきたプロジェクトやアイデアで、早期に現地で「実現実装」可能な段階にあり、本当に役立ちそうな何か、提案できないでしょうか?

http://www.ristex.jp/implementation/application/earthquake2011.html

私は技術と、人と社会とのあいだにあるギャップに関心を持っています。そこに橋を架けることが私の仕事の夢です。というのも、私は、今までの仕事で、素晴らしい技術が、人と社会にピタリとランディングしきれていない事例を沢山見て来たからなのです。勿体ない、、。長い時間をかけてその技術を開発した人にとっても、夢と期待を持ってその技術を使う人にとっても。少し発想を変えれば、結果は全く違ったものになっていたかも知れない。その思いが、いつのまにか、私に人と技術をのギャップに目を向ける習慣をつけたのかもしれません。

このお知らせを見たとき、あ、と思いました。日本はまだ大丈夫だ。こういう仕事をする方たちがいるのだから、きっと復興への道がついてくる。

RISTEXは、科学を社会に生かすことがミッションです。このお知らせを役に立てて下さる方のお目に留まるよう、私のこのささやかなブログにも載せて、私からの応援としたいと思います。

一つ付け加えれば、RISTEXのサイトに英語のページがあると更に良かったですね。今回の日本の災害は、世界にとっても災害です。それを乗り越える英知を探す範囲を、日本語人の外に拡げても良いと思いました。

ソーラー式基地局/Solar power for mobile networks worth investigation

Mr. I, a long-lasting friend of mine, has brought me an  interesting article in which Mr. Tsujimura, VP of NTT Docomo, Japan, had commented on the importance of revisiting the solar energy as a source of power for mobile telecommunications in disaster situation.

 

(引用)Quote

--停電で機能停止した基地局が多かった。ソーラー式基地局の本格利用の考えは?

Question: A large number of the base stations stopped functioning due to the power cut (at the disaster sites in Japan). What are your thoughts on using the solar power for base stations?

「太陽光の電力だけで基地局を維持するのは難しいが、バッテリーと組み合わせるなど検討の余地はある。強化していかなければならない分野だ」

Answer: It is an important subject for us to further investigate. While the solar power alone may not be sufficient to keep the base stations running, we could use it combined with other sources of power, such as batteries.

(引用終わり)End of Quote

通信も電力が無ければただのハコになった現代、ソーラー発電の実用的な有用性が納得されたということでしょうか。それをどう実行に移すか、これからも見まもりたいと思います。それは、今回の経験から学ぶということでもあります。
The comment above indicates a recognition of the solar power as an alternative source of power supply when the regular means of supply is cut in our days in which the electricity supply is indispensable for telecommunications network to function. I plan to keep eyes on how the company will integrate the solar power in the existing telecommunications network with interests. This ultimately means that we take lessons from the present disaster in the country.
基地局のことを私ももう少し調べてみました。日本のキャリアに基地局を納入したモトローラ社は、太陽光発電を山間部などで、電力のバックアップに使っているそうです。これは日本の話しです。基地局はエネルギーのインフラになれるかも知れませんね。すくなくともバックアップには。
In fact, the base stations by Motorola uses the solar power as a back up of power supply in remote areas in Japan. Base stations may become power stations if an efficient power generator is attached to them, at least to provide back-up power.