締め切りの名はオリンピック

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【締め切りが近づくと底力が出る方、いらっしゃると思います。もしその締め切りがオリンピックだったら?】

締め切りがあるのはスポーツ選手だけではありません。

東京2020年に向けて、日本でも色々なプロジェクトが立ち上がっています。リニアモーターカー、都市内WiFiなど、多種多様。

オリンピックの運営に欠かせないのが情報通信技術 (Information and Communications Technology, ICT) システム。それを作り、運営する人々にもまた締め切りがあります。それも何年にも亘る複雑な仕事の相当にキビシイ締め切りが。技術者たちはそれをどうやって乗り越えて行くんでしょうか?

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2020年の東京オリンピック、パラリンピック大会で、情報通信技術 (Information and Communications Technology, ICT) は大きな役割を果すに違いない。数万人にのぼるボランティアのマネジメント、入場券の販売管理、大会や報道関係者用情報システムなど、すぐに思いつく用途を考えただけで、その複雑さ、規模の大きさに頭がクラクラしてくる。

 五輪競技大会に使われるICTは、具体的に言ってどこが特別なのか?経験の豊富なパトリック・ワッティオ氏(以下PW氏、写真)にお話しを伺った。

欧州ICT社会 第34回 オリンピック PW氏写真

 PW氏は、1988年に準備の始まった、アルベールビル(フランス)冬期オリンピック(1992年開催)のICTプロジェクトを皮切りに、約30年間、夏冬のオリンピック、パラリンピック会場で使われるICTシステムに関わり続けてきた。初めは、大会用ICTシステムの製作、運営を担当する会社のマネジャーとして、後には、国際オリンピック委員会(IOC)の技術ディレクターを務めた。そんな経歴を持つPW氏は、五輪競技会ICTの歴史の生き証人である。

五輪ICTは、息の長い、大規模プロジェクト

一回の五輪大会を組織運営する業務は7−8年の間続く。それは開催都市が決まった日から始まり、6年後の大会本番、そして大会終了後も8から9ヶ月の間、業務が続くからだ。ICTもまた同様である。

 ICTは技術革新が速い。当初の予定に変更を迫られることもある。また、担当者としては、限られた予算ではあっても、できるだけ最新技術を使いたい。ここは知恵を絞るところだ。

 五輪大会のために製作されるICTシステムの数は、主なものだけで200から300、ICTに係わる人々は大雑把に言って、3−4千人。ICTを含む、大会関係者の総数は、ボランティアも含め、約15万人という。

電気通信にも、五輪競技会ならではのニーズがある。

ICTプロジェクトには、大会限りの設備、システムと共に、その運用を支えるインフラの建設が必要となる。競技会場内のシステム運用のために、会場外ネットワークの建設も必要になるからだ。そのため、五輪競技大会には、インフラに投資する資力のある通信事業者が必要となる。そのため、ICTのうち、通信部門は、開催国の主要通信企業が担当することが多い。例えば、ロンドン大会のBTのように。

五輪競技大会は、新しい通信技術登場の機会でもある。2018年の冬期オリンピック会場、平昌(ピョンチャン、韓国)では、第五世代 (5G) システムが使われることになっているとか。

日程は絶対

五輪競技会用ICTは、利用目的が多様であることから(大会組織委員会用、競技用、ボランティア管理、会場用交通手段マネジメント、など)、それらに適した、通信、ITシステムからオーディオビジュアルまでを含む、幅広いICT技術が必要だ。その予算配分も、多様な費用負担主体、負担割合など、複雑を極める。しかも、ICTシステムは、開催都市、開催国ごとに異なる都市インフラに適応するよう構築しなければならない。同じ理由で、チケットの販売方法も大会ごとに異なるという。

 しかし、ICT総括責任者にとり、五輪競技会用ICTの最大の特徴は、開催日が決まっていて、その日程が決して動かないことだ。しかもその日は、そのICTの使われる五輪競技会開催日の8年以上前に決まる。世の中にはオリンピックよりももっと大規模で複雑なICTシステムがあるが、開催日が絶対という点は、五輪競技会用ICTプロジェクトだけにいえることだ。

決まった日までに完璧なシステムを作らねばならないという条件は、ICTのプロジェクトマネジメントやシステム構築の進行に大きな影響を与える。それはストレスでもあるが、良い点もある。会期が絶対である以上、何か問題が起きた場合、人々は解決策のためにひたすらエネルギーを集中するからだ。これは、職場の人間関係としては、健康なことだ。

日程が絶対なので、試験には最大限の慎重を期さなければならない。本番で失敗するわけにはいかない。そのため、試験の日程には、予期せぬ故障や、追加試験の必要性も考えて、充分な日程を見ておく。

ICTの変化

ICTに対するニーズも利用形態も大きく変化した。オンラインチケット販売に代表される外部システムとの接続が増加したことから、運用試験の必要なシステムの数が増えたこと、またモバイルニーズの急増に対応する必要が生じた。そのため、情報システムのセキュリティー対策も、カバーする範囲が拡大した。また、もともと個人用として開発されたスマホなどのICT端末(従ってセキュリティーレベルは低い)が業務用に使われるようになり、ネットワークインフラへのセキュリティー要求を高めたこと、会場内で報道関係者の撮影する写真やビデオのような、大容量データを高速で安全に送信する必要が、有線ネットワーク需要を飛躍的に高めていることも、大きな変化だ。

ICTの現場に要求されることは?

ICTは大きく変化しても、現場で働く人々の基本は変わらないとPW氏は語る。

「五輪競技会のICTは、長い長い、マラソンです。その上、大会が始まると、現場の運営に携わる者はタフでなければならない。ICTスタッフは、試合会場の開く3−4時間前からスタンバイします。仕事が終わるのは、試合終了後の更に1−2時間後です。」

「試合は生き物です。いつ何がおきるか、予測できないことばかり。ICTスタッフには、どういう事態にあっても、冷静沈着でいられることが要求されます。私には、会期中は殆ど睡眠時間がありません。」

 ICTという側面からオリンピック、パラリンピックにかかわって来た、PW氏。その彼が、30年の経験を振り返って言った言葉が重い。

オリンピックとは、最小にして最大の複雑なプロジェクトです。そこに係わる人々、組織(政府、企業、団体など)の利害調整は複雑を極めます。それがまた、オリンピックの成功を大きく左右します。」

来たる2020年の東京オリンピック、パラリンピック大会でも、多くの人々がICTに携わることだろう。その人々は、競技の裏側で何を見るだろうか?

ロンドン 五輪大会(2012年夏)のICT担当者たちが、そのノウハウ、経験を二冊の書物に纏めた。下記のサイトから無料で入手できます。

http://www.theiet.org/sectors/information-communications/ict-2012.cfm?origin=homepage

掲載稿はこちら→ 欧州ICT社会 読み解き術 第34回、NTTユニオン機関誌「あけぼの」 2015年3月号

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イノベーションを産み出す仕組み、スイスの産学協働

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【あの小さいスイスがイノベーション大国?なぜ?】

スイスの国土は九州ぐらいのミニサイズ、人口も日本の16%しかない。なのに世界一のイノベーション大国。WIPOの毎年発行する「イノベーション・イノベーションインデックス」で、2010年以来ずっと一位です。

私はイノベーションの産まれる理由にとても興味があります。イノベーションは発想がカギです。科学技術だけでなく日々の暮らしにも仕事にも新鮮な視点は色々な場所で役に立つことは、皆さんもご経験しておられることと思います。

そんなわけで、私の住むスイスがなぜイノベーション世界一が6年も続くのか、どういう背景があるのか、とても興味をもって取材しています。ご一緒にスイスのイノベーション誕生の場所を訪ねませんか?

”イノベーションのメッカ、EPFLに見る産学協働” (記事の全文は、ページ右上「ダウンロード」をクリックすると読めます。)

http://www.s-ge.com/japan/invest/ja/blog/日本企業からみたepflの産学協同

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東京のスイス大使館に「スイス・グローバル・エンタプライズ」という組織があります。主な仕事は日本からスイスへの企業進出を奨励することです。

この記事はそのウェブサイトに掲載されました。

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イノベーションのメッカ、ローザンヌ連邦工科大学(EPFL) 構内にあるイノベーションパーク。セキュラブ社もここに研究部門を置いています。(写真:EPFLウェブサイトから)

 

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イノベーションに女性の参加は欠かせない

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社会のダイバーシティはイノベーションに不可欠だということは広く知られている。現に、外国人の人口比率が約20%を占めるなど、ダイバーシティ豊かなスイスは、世界一のイノベーション大国でもある。

そのダイバーシティの大きな要素として、ジェンダーを見落としてはならない。ところが、スイスでもこの点にはまだまだ改善の余地があるという。科学技術分野の仕事や組織の意志決定には、女性の参加率は低いというのだ。筆者は、その情況を改善するために自身の職場で、また経営におけるジェンダーバランスのコンサルを行なっている二人の女性と知り合った。ジェンダーとイノベーションはどう繋がるのか?このテーマは、わかるようでなかなか分かりにくい。

早速このお二人にお話しを伺った。

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アンドレア・ダンバーさん

二人の専門家

取材に応じてくれたのは、イノベーション支援の実務に携わるアンドレア・ダンバーさん(写真1)と、ダイバーシティラボというNGOを主宰するジョイス・ビンダ-さんだ(写真2)。

ダンバーさんはアメリカ生まれ、光学で博士号を取った後、研究を続けるために、イノベーションを次々に生み出すことで世界的に有名なスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)に来た。今は専門を生かし、ヌシャテル州政府の産業政策の一環として、CSEMという会社でベンチャー企業に技術移転の支援を行っている。

ビンダ-さんは、ブラジル生まれ、ベルギーとイギリスで仕事をした後、スイスに移住した。英国在住中にジェンダー研究で修士号を取った経歴を生かし、スイスでダイバーシティラボというNGOを設立、今では組織活性化のためにジェンダーバランスを生かす経営のコンサルや、啓蒙活動を行っている (ビンダーさんのウェブサイト<英語>はこちらです)。

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ジョイス・ビンダーさん

女性の参加がイノベーションを促すのはなぜ?

栗崎 なぜ、女性の参加がイノベーションに必須なのですか?

アンドレア・ダンバー 理由は二つあります。

一つ目は、イノベーションは何かの境目を越えたところに生まれるからです。ジェンダー、文化、専門分野などの違う人々が集まり、それぞれなりの視点や、発想を交換し合うことから、人は物事を新しい側面から見ることに気づくのです。

二つめは、イノベーションの成果が誰にも享受できるものでなければならないからです。女性は人類の半分を占めるのですから、利益享受者としてもイノベーションを生み出す過程への女性の参加は不可欠です。

ジョイス・ビンダ- イノベーションは、異質な人々の集まるところで生まれます。性であれ、文化であれ、色々な人が社会には必要です。ものの見方、考え方の違う人々が集まり、共通の目標に向かって行動を起こすとき、そこに異質な存在との対話が生まれます。その過程で、互いに対する偏見や思い込みが外れていき、イノベーションが生まれるのです。

栗崎 何故イノベーションに関わる女性は少数なのでしょうか?

ダンバー これは欧州全体にいえることですが、採用や、昇進の決定権のある管理職の大半は男性です。彼らは女性よりも男性と働く方が容易だと思うようです。企業の役員に女性が3人以上いる場合、その企業の業績は平均よりも高いという調査結果があるのですが、採用や昇進の現状はなかなか変わらないでいます。ジェンダーはイノベーションを生むエンジンなのですが。

栗崎 スイスのイノベーションに女性は大勢参加していますか?

ダンバー 現状では、残念ながら女性の参加はまだまだ不足しています。博士号を取るまでは男女平等なのですが、企業の中では平等ではありません。意志決定に参加する女性は大変少数です。

ただ、希望はあります。米国と違い欧州では、専門職でも80%の時間だけ働くなど、パートタイムの働き方ができます。出産、育児期の女性はこのような制度を利用して働き続けられるので、女性管理職者の数はゆっくりではあれ、増えています。

栗崎 女性をもっとイノベーションに参加させるには、どんな解決法がありますか?

ダンバー 女性をあるレベル以上の責任あるポストに就けることには(経営者の)精神的なブロックが大きいのです。それを減らし、取り除くためには、マネジャーが実際に女性と仕事をする経験を積む必要があります。

各社の男女平等指数を測定し、合格点を取った企業に認証を与えるなど、男女平等の推進施策が必要ですね。

私は技術移転で企業に助言をする立場にあるのですが、担当する企業のプロジェクトに必要な人材の採用ニーズが出てきた場合は、いつも女性を推薦しています。

ビンダ- スイスにも女性管理職者の数の増えている企業があります。それらに共通している点は、社員のダイバーシティ増加が組織のために不可欠である状態だということと、社長が強力に推進していることです。ある会社などは、人事部の反対を社長が押し切りました。

栗崎 ダイバーシティからどうやってイノベーションは生まれるのでしょう?

ビンダ- カギは二つです。異なる考え方を持つ人どうしがふれあうこと。そして、その異質なアイデアを、自分の価値判断無しに受け入れる開かれた心です。そういう人々の頭に、斬新なアイデアは閃きます。これがイノベーションです。イノベーションはモノの形を取らないことも多くあります。反対に、ステレオタイプの目で物を見ることは、イノベーションの敵です。そこで思考が停止するからです。

取材を終えて

お二人のお話しを伺って、筆者は日本社会を考えた。欧州に比べると今でも日本は大変な同質社会だが、それを乗り越えるためには、日本で常識と思われていることに囚われないで物事を見る練習を日々心がけると良いかも知れない。こういう訓練は日本のイノベーション力復活に役立つに違いない。

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仕事でオンラインシステムを使うコツーー私なりの物語

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 最近急にスカイプやZoomといった様々なオンラインシステムを使って仕事を進める機会が増えました。今では欧州や北米では既に、コーチングのような人の心に関わるデリケートな仕事も頻繁にオンラインで行われています。

欧州でビジネスをしている中で、電話会議から始まって試行錯誤しながらたどり着いた私なりの使い方のコツをお伝えします。住む場所にかかわらず、家で仕事をされる方には特に知っておくと便利なコツなので、ぜひ読んでみてください。

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ジュネーブに住む私にとって、日本の人々はもちろん、欧州や北米の人々と仕事を進めるために、スカイプやZoom, Webinarのような手軽に使えるオンラインシステムは必須だ。

ただ、オンラインは対面のコミュニケーションとは違うため、使い方にコツがある。特に、ワールドカフェのようにグループディスカッションを行う場合はなおさらだ。

10月17日、私はIAFジャパンの主催した、ハイブリッド・ワールドカフェにジュネーブから参加する機会があった。これはZOOMというシステムを使い、東京を本会場にして、アジアや北米、欧州からの参加者を繋ぐ、意欲的な試みだ。対面とオンラインの両方を用いてワールドカフェを行おうというのである。

(“ワールドカフェ・アジア パート2 グローバル・コラボレーションの新たな可能性”。詳細はFacebook のイベントページを参照; https://www.facebook.com/events/1269917323029515/

私もその時に「私なりの物語」と題してオンラインで仕事を進めるコツをプレゼンしたのでここにまとめておこう。

☆ オンラインを仕事に使うコツーー「私なりの物語」

1.背景 私のオンラインシステムのつきあい

  • 私は以前、世界230カ国に拡がる世界規模の企業に勤務していたため、電話会議は仕事に欠かせなかった。その後技術の発展につれてWebinar,  テレビ会議なども使ったが、合計するとこのような遠隔コミュニケーションシステムを20年以上使っている。
    • 全てが国際会議だった。
    • プロジェクトマネジメントなど、会議を頻繁に行う必要のある時には特に便利だった。
  • フリーになった今も多用している。今はスカイプを多用している。Webinarも時々使う。

2.私の学び

  • コツは、心の距離の克服だと思う。
    • 直接に顔を見ないため、互いに得られる情報が少ない。そのため感情が伝わりにくい。
    • 背後事情も伝わりにくい。
    • ネット(電話)を切ったら、すぐに元の日常に戻る。会議中には参加者相互間にそれなりの熱意が生まれるものだが、オンライン会議ではそれが持続しない。
    • スカイプでもカメラを使用する方がコミュニケーションは快適だ。
  • 多すぎる機能は不要だ。例えば、企業用として毎回パスワードを変える機能のある電話会議がある。これは設定が煩雑になるだけで、実際には不要な機能だ。
  • 国際会議の場合、電話会議は手軽な反面、料金が高いことが問題。今はネットを使うのでその問題はほぼ克服できたのではないだろうか。

3.私なりの解決策

  • 以前、欧州、北米の同僚たちのリーダーとしてあるプロジェクトマネジメントのリーダーを務めた。私は特に問題の無いときも、定期的に(週一回)ミーティングを行なった。
    • 人が集まると、なにかしら話すべきことは出てくる。それが大事だと思う。自分はこのチームに属しているという感覚を維持できるのだ。
    • ところが、プロジェクトリーダーが私の後任者に変わり、彼の提案で何か案件のあるときだけ電話会議をしよう、ということになった。あっというまにその仮想チームは消滅した。
  • オンラインコミュニケーションには、人としての感情を込めることを、限られた手段だからこそ大いに留意しなければならない。嬉しいことに、このような感情を込めたコミュニケーションは日本人の得意分野ではないだろうか?
  • Webinarは仕事の打ち合わせに便利だ。顔と資料が両方見られる。リアルタイムで資料の修正もできる。

4.べからず集

  • オンライン会議中にキーボードを打つべからず。マイクが音を拾って耳障りだ。
  • 時差に注意すべし。技術に時間はなくても、人は時間から逃れられない。以前、時差の都合で夜中の2時にワールドカフェ参加の経験あり。ところが頭が働かない。これでは折角のワールドカフェも意味がない。

☆ ハイブリッド・ワールドカフェについて オンライン参加者としての感想

  • ジュネーブの自宅から日本の人々と話せたのは良かった。ワールドカフェで同じグループになった人の中には久しぶりにネット上で再会した日本の友人もいた。
  • プレゼンを聴いている間は結構退屈なものである。発表しておられる方には申し訳ないのだが、この退屈さはどんなに面白い発表であっても逃れられないのではないか?というのは、オンライン参加だとリアルの会場と違って目のやり場がない。スクリーンを睨むほか無い。こういう状態は退屈なものなのだと知った。これはなんとかして解決すべき問題だと思う。
  • 今回私は一人で日英語の両方でプレゼンを行ない、議論も行なった。これは相当に頭の負担が大きい。第一プレゼンしながら考える余裕がない。たとえ複数の言葉を話せる参加者であっても、外国語が混じるときには通訳をつける必要があると思う。
  • 最初の二つのプレゼンが終わった後コーヒーブレークがあったが、これはホッとした。気が抜けて良かった。オンラインでもブレークの時間は必用だ。
  • オフライン会場の人々にはイベントの後懇親会があったが、オンライン参加者にはない。オンライン参加とは孤独なものである。

☆ オンラインを使いこなすコツをテーマに最近幾つかの記事を執筆しました。もっと深く知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ディジタルの世界で働く女性を、ソーシャルメディアで輝かせよう! ーー欧州ICT社会読み説き術 (27)

日本でもヨーロッパでも、ディジタル生活がすっかり浸透した割りには、ICTのかかわる場面で、女性の存在感は依然として薄い。大まかな数値だが、ICTをテーマにしたシンポジウムやコンファランスのスピーカのうち、女性は5%、ICT産業全体をみても、そこで働く女性は20%という。

その現状を変えたい、という思いを抱き、実行に移した女性がいる。ジュネーブでディジタルマーケターとして働く、タイサ・シャルリエさんだ。

シャルリエさんは、2014年1月に、「Women in Digital Switzerland」(ウーマン・イン・ディジタル・スイス、WDS)というグループを、リンクトインの中に立ち上げた。このグループは、最初は全く個人のプロジェクトだったので、同じマーケティング仲間の20数人の女性に、メールで知らせただけだった。それが、たった四週間で120人の参加者が集うグループに急成長した。宣伝しなくても、口コミだけでこれだけ集まったのである。

何故ディジタルビジネスで働く女性たちは、Women in Digital Switzerlandに強い関心を持つのか?そこにある思いとは?

今回は、女性という切り口から、ICT社会に迫ってみた。

Women in Digital Switzerlandグループポータル。リンクトインの中にある。左上の写真は創始者、シャルリエさん。
Women in Digital Switzerlandグループポータル。リンクトインの中にある。左上の写真は創始者、シャルリエさん。

女性の意見を社会に

タイサ・シャルリエさんは、明るくダイナミックな広報ウーマン。宮本武蔵の「五輪の書」をフランス語で読んだと言って、筆者を驚かせた。彼女は、ディジタルマーケティングを専門にしている。(註:ディジタルマーケティングとは、SNSなど、ディジタルメディアを使った、商品、サービス、ブランドの販売促進手法の総称。企業アカウントのフェースブックを使ったコミュニティーマネジメント、企業HPのブログの執筆など、態様は多岐に亘る。)

シャルリエさんが、自分の業界で女性の発言力を高めなければいけない、という問題意識を持った直接のきっかけは、高額な保育費用だった。彼女はシングルマザー。子どもを保育園に預けて働きに出ようとしたが、その費用に彼女の給料を殆ど持って行かれることを知った。「これでは、女性は外で働けない!女性の意見を社会にもっと出して行かなければ。」そこで、まず自分の仕事であるディジタルマーケティングの分野で働く女性同士を繋げようと考えた。(註、スイスの社会制度には、女性が常に家にいることを前提にして作られているものが散見される。高額な保育費用はその一例だ。保育は例外という考え方である。)

スイスでもICTを利用するビジネスのうち、ディジタルマーケティングに携わる女性の数は多い。コミュニティーマネジメントなど、在宅で働ける職種のあることはその大きな理由だ。家で働けるなら、育児をしながら仕事を続けられる。そういう女性たちを繋げる個人的な繋がりはあったが、個人の交遊の範囲を超えてより大勢を繋ぐ仕組み、それを可能にする場は無かった。

意見交換を通じ、働く女性が支え合う

スイス社会には、多国籍を認めるなど先進的な面もある反面、保守性も根強い。女性が働くことや、シングルマザーに批判的な意見を持つ人も多い。そういう目に晒されながら働く女性が、互いに支え合う仕組みを提供するWDSは、互いに孤立していた女性のニーズに見事に的中した。

WDSグループサイトには、さまざまな経験や意見、興味深いイベントなどが載せられるようになった。「読まれるブログを書くには?」「3月7日はスイス女性の給与“平等”の日」「女性リーダーが“いばらないリーダーシップ”を育てる方法」などである。

シャルリエさんは、「このように、経験やアイデアをシェアすることから始め、それが参加者同士を刺激し合う(インスパイア)ようになって欲しい。それが育って、女性たちが力づけ合い、自信を持つようになっていって欲しい」と思っている。そうして、「女性たちに自信を持って対外的に発言する力を身につけて欲しい」と。

WDSで使う言語は英語だ。シャルリエさんがフランス語圏のジュネーブで活動しているためもあり、今のところ参加者の多くはフランス語人である。けれども、広くスイス全体で言語の壁を超えて情報交換するために、彼女はあえて英語のサイトとした。英語はスイスの言語ではないが、必修とする学校が多いため、若手マーケターには英語を読み書きする人は多い。こうして彼女は、英語を介して、ドイツ語、イタリア語を母語とするスイスの女性たちにも、共感の輪を拡げようと思っている。

これは恩返し

参加メンバーは、今や250人に迫ろうとしているWSDだが(原稿執筆時点)、グループを大きくすることは、私の目的ではない、とシャルリエさんは言う。「多くの人々のおかげで、私は何人もの素晴らしい人々に出会ってきた。今度はWDSを通じて、女性たちが素晴らしい人々に出会う機会を提供したい。」彼女はまた、「女性の能力を活用することは、企業の社会責任(CSR)でもある。」とも言う。女性が能力を発揮するよう育てることは、社会への貢献でもある、と。

日本でも、ネットを活用して女性たちが連携し、互いを支援しあう仕組みが育っているようだ。例えば、最近筆者は、「営業部女子課」 (http://www.eigyobu-joshika.jp)というサイトを知り、頼もしく思った。ソーシャルメディアは、相談相手が身近にいない人々を繋げ、互いに学ぶ機会を提供できる。折しも安倍首相は、日本経済の成長に女性の能力は不可欠と言っている。ソーシャルメディアを利用したこのようなつながりは、これからも拡がって行くだろう。

掲載稿はこちら→ 欧州ICT社会 読み解き術 第二十七回、NTTユニオン機関誌「あけぼの」2014年6月号

ICTを使う人と作る人をつなぐ「おもてなしの心」 ーー欧州ICT社会読み説き術 (23)  

訪問者としての視点

2020年に、東京でオリンピック、パラリンピックが開催されることになった。 その誘致運動中、チームジャパンは「おもてなしの心」を日本の良さとして選考委員に訴えた。外国に住んでみると、そういう心映えを、多くの人が当たり前のように持つ社会は、多くはないことに気付く。

その日本で年末年始の休暇を過ごしたが、今回も、街に年齢の高い人の多いことが目に付いた。昨年末に総務省統計局の発表したデータによると、日本の人口は昨年1年間に23万人減ったという。主に自然減( 出生と死亡の差がマイナスになること)の結果だ。日本も遂にこの時期が来たのかと、感慨がある。

街に出ると、最新型の多様なディジタル機器が専門店に溢れているところは例年と変わらない。やはり日本はICT大国だと感心する。

「おもてなしの心」、人口の高齢化、街に溢れるディジタル機器――それらは一見無関係に見える。ところが外からの訪問者の目で見ると、実は密接に繋がっていることに、今回気がついた。

 衝撃的な接客体験

私は、年に一度の日本帰省の機会を利用して、日常使うICT製品をまとめて買う。大半は、壊れたMP3プレイヤーの買い換え、ハードディスクのバージョンアップをなど、細々した用事である。

だがそれは、秋葉原の無い国に住む者にとり、貴重な年中行事なのだ。欧州のディジタル生活のメンテである。それというのも、日本ほど、多種多様な、性能の良いICT機器が手に入り、しかも安価な国は欧州にないからだ。

ハードのモノだけではない。ICT機器を売る店の人の親切さと、商品知識の豊かさには、いつも感心させられる。これも、欧州ではまず期待できない。

秋葉原の、ある大手ICT専門店でのことである。かねて用意した商品リストを手に訪れたその店で、私が最初に声をかけたのが彼、Nさんだった。私は、何十種類もあるハードディスクの棚の前で目がくらみ、どれを選べばいいかわからない。そこで、アドバイスをお願いしたのだ。それが、私にとっては衝撃的とも言える、ICT専門店体験 イン ジャパンの始まりだった。

Nさんは、商品知識が豊富なだけでなく、教え方も分かり易かった。その上、欧州の電圧で使えるかを調べるために、新品の商品の箱を開けて確かめてくれた。他にも幾つかの細かいが、私にとっては大切な事を尋ねたが、テキパキ教えてくれる。要するに、彼は教える事に手間暇かけることを厭わないのだ。

それだけではない。私の手に持つ買い物リストに気がついた彼は、同じ階にある商品を探すために、私をその売り場まで案内し、在庫の確認までしてくれた。その階にない商品は、どこにあるかを教えてくれた。おかげで、私は広い店内を右往左往することなく、必要な物を買いそろえることが出来た。

Nさんに限らず、この店の人々は皆、商品知識が豊富で、分かり易くお客に説明してくれる。時には利用者としての自分の経験も交えて、他種類ある商品の中からどれがお客に適切か、アドバイスしてくれる。通り一遍の知識ではないから、参考になる。

別れ際に、Nさんから、これ、良かったら書いてください、と言って葉書を渡された。販売員に対するお客の評価を尋ねるアンケートだった。

それを見て、この店の人々の応対に納得がいった。接客態度だけでなく、商品知識についても、顧客の評価を聞いているのだ。

「気持ちの良い挨拶」「笑顔」を尋ねた後、こういう質問がある-「分かり易い言葉で説明できていましたでしょうか?」

更に質問は続く-「商品知識にご満足頂けましたでしょうか?」

この点こそ、お客にとっては肝要なのだ。ICT機器を買う場合、お客にとっては、店員の気持ちの良い挨拶も大事だが、それ以上に商品知識は大事だ。私なら、この質問を、アンケートの最初に持ってくる。

日本が誇る人材資源

日本人は、「おもてなしの心」を気持ちの底に持っている。それは、相手を大切にする気持ちだ。もともと人の心の土台が親切なところに、この店には、店員がお客目線に注意を払う仕組みがある。これで、お客の便宜が向上しないわけがない。こういう人々が、ICTには必ずしも詳しくない使い手と、ICTに強い作り手とを繋いでいる。

ICT販売店の店員さんの持つ、こういう「おもてなしの心」は、高齢化の進む日本で、日本なりの情報化社会を育てていると思える。高年齢層人口の多い日本では、大多数のICT利用者は、ICT機器をおとなになってから使い始めた人々だ。生まれたときにはパソコンやスマホが無かった世代である。

他方、高年齢者といえども、携帯電話のように、最低限のICT機器は生活必需品となった。その人々に、適切な商品を選ぶ手助けをし、故障や機器の交換の時には、電話番号メモリーを移動するなど、小さいが、使い手にとって重要なことに手を貸す人々は是非とも必要だ。

人口の高齢化は、スマホのように、個人の使う情報機器の高度化と並んで、世界的な傾向である。そういう社会にあって、ICTを使う人と作る人とを、その入り口で繋ぐ場所にいる販売店の人々の役割は大きい。

「おもてなしの心」を持つ、ICT商品知識の豊かな販売員は、21世紀情報化社会で、日本が世界に誇れる人材資源である。今年はその資源をもとに、 ICT商品販売担当者の研修コースを作成し、欧州に紹介できないだろうか?そういう販売思想は欧州にないので、画期的と受け取られると思う。

掲載稿はこちら→ 欧州ICT社会 読み解き術 第二十三回、NTTユニオン機関誌「あけぼの」2014年2月号に掲載、2014_02あけぼの_ICT_第二十三回 おもてなしの心

ジュネーブに広まる公衆無料Wi-Fi ーー欧州ICT社会読み説き術 (22) ((o)) ville-de-geneve

ジュネーブ市の来年の予算の目玉の一つは、公衆Wi-Fiサービス向上、と新聞報道で知り、筆者は我が意を得たりと思った。それというのも、帰省した日本にで、Wi-Fiの壁に突き当たった、苦い経験があるからだ(「いつでも?どこでも?だれとでも?の巻」、あけぼの2012年2月号)。

ICTが街のインフラの随所に使われる一千万都市東京で出来ないことが、人口20万人のジュネーブ市では出来ている。それはなぜだろう?この素朴な疑問を持って、市の公衆WiFi普及責任者、サヴェリオ・リベルト氏を訪ねた。そこで見えて来たのは、いかにもスイスらしい、公平精神に裏打ちされた、地道な政策だった。

ネットアクセスの民主化

ジュネーブ市の公衆Wi-Fi サービスは、2004年に始まった。

市内には、市役所関係のオフィスや、市立の図書館、美術館など、公共の建物が200から250ある。それらは、実務のために、もともと光ファイバーの専用線で繋がっていた。

2000年代初めのこと、市のオフィスや図書館などを訪れる市民へのサービスとして、無料Wi-Fiをという要望が高まった。その要望は、程なく、ネットアクセスの民主化という政策理念に発展した。

つまりこういうことだ– インターネットは生活に必要不可欠になった。利用者はアクセス料を電話会社などのサービスプロバイダに払って、その便宜を享受する。ではお金を払えない、貧しい人はどうなるか?市には、貧しい人にも公平にインターネットの便宜を与える義務がある。ここに、誰にでも、かつ無料で提供される理由がある。

こうして、公衆Wi-Fiは純然たる市民サービスとして始まり、今もその理念は変わっていない。国連欧州本部や、数百のNGO(非政府機関)を擁するジュネーブでありながら、国際会議参加者、観光客など、旅行者の便宜は当初考えてもみなかったところが面白い。ジュネーブを訪れる旅行者にとっても、誰でもアクセスできて、その上無料のWiFiは本当にありがたいのだが。

成長を続ける公衆Wi-Fi

公衆WiFiは利用者に好評と見えて、急成長している。アクセス数を見ると、2008年以降は毎年倍加している。これは、スマホ、タブレットなど、ラップトップよりも遥かに軽くて持ち運びの容易なネット端末が普及したためだと、リベルトさんは見ている。

サービス開始から約10年たった現在 (2013年10月)、ジュネーブ市内の約70箇所でWi-Fiアクセスが出来るが、今年中には80箇所になる予定だ。そのためのアクセスポイント(無線機)は290個、大変な数だ。(ジュネーブWi-Fiマップはこちらへ)

セキュリティーへの配慮

2013年8月からアクセス方法が少し変わった。ネットを利用するために、4桁のコードをまず手に入れる必要ができたのだ。これは、公衆WiFi利用者の特定を可能にすることを義務づける連邦政府指令が出たためである。万が一公衆WiFiを使った犯罪が起きた場合、その究明を可能にするためというのが、その理由だ。(註:スイスでは空港、鉄道駅でも公衆WiFi設置が進んでいる)

指令に従って、ジュネーブ市も 公衆Wi-Fiへのアクセス方法を変更した。スマホなどでWiFiネットを掴むと、まずジュネーブ市ポータルがあらわれる。そこから、自分の携帯電話番号を入力すると、すぐにSMSで、4桁のコード番号が送られてくる。

これはよくある仕組みではある。しかし、それまで Wi-Fiアクセスが全く自由だったことを思えば、利用者にとっては面倒になる。公共サービスの使命として、ICTに苦手感を持つ市民も容易に使えるシステムでなければならない。そこで、リベルトさんらは、配慮をした。そのコードは6ヶ月間有効であるうえ、ジュネーブ市の提供する公衆WiFiなら、どこでも共通としたのである。そのおかげで、利用者は、少なくとも6ヶ月間は、毎回アクセスコードを取得する手間を省けることになった。

今までのところ、ジュネーブ市の公衆無料Wi-Fiが、犯罪などに使われたりネットに不法な侵入があったりしたことは無いそうだ。何か起こるとすれば、大半の問題は、ネットワークではなく、サイト自体(児童ポルノなど)や、使い方(公共無線ネットでオンラインバンキングを使う)などにあるのではないか、とリベルトさんは語る。市では、利用者にそういう使い方をしないよう、注意を呼びかけてもいる。

開かれたWi-Fiの恩恵は?

将来は、ホットスポットの数を順次増やすと共に、現在の機器の刷新も行なう予定だ。また、これからは旅行者への情報提供も、もっと積極的に行ないたいとリベルトさんは思っている。

住人だけでなく、旅行者にも恩恵の大きい公衆無料Wi-Fiだが、今のところ、観光案内所には公共無料Wi-Fiサイトマップは置かれていない。しかし、外国旅行者の情報交換するブログには、こういう情報がちゃんと載っていて、ジュネーブの株を上げている。ジュネーブの公衆無料Wi-Fiは、市民を対象として提供されてきたが、市民以外の人々にも大きく開かれていたために、想定外の大きな利益を、利用者にも提供者にももたらしたといえよう。

今後日本は、東京オリンピックを控え、外国からの訪問者が増えるだろう。その人々から「どこでも、誰でも」使えるWi-Fiの要望は出てくるに違いない。その提供方法を考えるとき、ジュネーブの例は参考になると思う。

ジュネーブ公衆無料WiFiマップ 

掲載稿はこちら→ 欧州ICT社会 読み解き術 第二十二回、NTTユニオン機関誌「あけぼの」2013年 12月 & 2014年1月 合併号に掲載