28年ぶりに見る日本の5月にまず考えたことは?

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【あたりまえじゃない日本の恵みって?】

5月の連休中に日本に着きました。

28年ぶりのゴールデンウィーク、28年ぶりの5月!

まっさきに目についたのは、この美しい季節の日本の自然です。28年 間日本を離れていると、そういう景色が新鮮です。

こんな日本の自然のありかたに、
日本人の感性の根っこを見る思いがしました。

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セーターを着てヨーロッパから日本に着いた朝、
成田空港から乗る電車、
車窓から見る下総台地の雑木林、
利根川の作った平野に広がる田んぼ、
その緑が水気をたっぷり含んでいてしっとりしているように感じられるとき。

端午の節句は五月晴れ、
その空気が湿気を含んで、
空がもやあとした青色に感じられるとき。

ツツジが満開であちこちに咲き誇っている、
その花びらが遠目にも柔らかく、
花の色が何色であれ優しい色合いに感じられるとき。

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Photo Haruko SATO

家の小さな庭にも、
あちこちの路地にも、
少し土のあるところにはちゃんと何かの草が生え、
それが色とりどりの花をつけているのを目にするとき。

八百屋に行くと、
土佐のミョウガ、大分の椎茸、埼玉のブロッコリ、など、
日本各地で大地と太陽の恵みを受けて育った農作物があふれているのを目にするとき。

つくづくここは水と太陽と土に恵まれた国なんだなあ、と思います。
日本では季節がゆっくり、ゆっくり変わって行きます。
日本の享受する自然の恵みって、こういう事なんだと思います。

そういうことに、ヨーロッパに長く住んで初めて気がつきました。私の知っているヨーロッパにこんな気候はありません。季節がこんなにおだやかに変わって行くこともありません。

日本の文学や絵画、音楽には、きっとそういう気候とそれを見る人々の感性が写し込まれていると思います。

そうして、きっとあなたの感性にも。

そこまで知ったら、もう一歩感性のアンテナを張り伸ばして下さい。他の国にはそこなりの気候があって、そこに住む人々にはまた違う感性があることを感じて下さいますように。

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“Thank you”は「ありがとう」じゃない?

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【Thank you とありがとうの間にある深い溝】

ぴーちゃん、英語の勉強を始めたんだってね。上達の道は、まず始めることから。応援してる!

ぴーちゃんを見てて、私がカナダで貧乏学生を始めた頃を思い出した。日本で英会話学校には通ったけれど、あのカナダでの暮らしが初めて英語の文化圏に飛び込む経験だった。

カナダに来るまで私は自分は英語を話すと思ってた。厳しいことで有名な東京の英会話学校も卒業したし。けれどもいざカナダで暮らし始めると、私の話すことがわかって貰えないということが時々起きた。え?!

カナダに来たばかりの私は、その社会や文化を理解してなかったのよ。例えば私のものの言い方は婉曲すぎてカナディアンの友人たちにはわかりにくい、とかね。

日本語と英語とではモノの考え方が真逆なの。これはカナダ生活最初のカルチャーショックだった。

たとえば、英語の”Thank you”。これは日本語では「ありがとう」に相当するけれど、その言葉に込められた精神は日本語とは正反対。

“Thank you”には主語が隠れていて、その意味するところは”I tahnk you”となる。英語にはいつでも主語がある。ここでは”I”、つまり「わたし」。だから、”Thank you”の意味は「わたしはあなたに感謝します」となる。英語の文ではいつも、「誰が」をハッキリ言わなければならない。”Thank you”を日本語に直訳するとくどいほど強いと思わない?

では日本語の「ありがとう」は?

これは「有り難い」とから来ているよね。つまり、何かがめったにないほど貴重だという意味。そこには主語がない。「何かが有り難い」という情況を叙述しているだけ。「わたし」も「あなた」もいない。

いつも「誰が」を言い続ける英語と、情況を叙述すれは、そこに込められたメッセージを相手にわかって貰える日本語。そう思うとき、私は英語は日本語に比べて強い言葉だと思うのよね。

そういう経験を積んで、私は悟った。

英語と日本語の間にはモノの考え方、文化の溝がある。もうLost in translationだらけだ。こういう発見は外国生活の醍醐味でもあるんだけれど、でもその社会で生きていこうと思ったら、頭を切り換えるのは私の方。じゃあ、言葉に振り回されるのは止めよう。私は自分の言いたい内容を英語に変えて伝えよう、言葉の直訳ではなく、と思ったの。

英語の会話だけなら中学で習う語彙や構文で充分。大事なのは、自分の意見を持つこと、伝いたいメッセージを持って、自分の持っている言葉の限りを尽くして伝えることだと思う。

ぴーちゃんにはメッセージがある。それを伝える練習を積み重ねていけば、きっと会話は上達するわ。楽しみにしてる!

参考 ーーーーーーー

ありがとうの語源・由来】 ありがとうの語源は、形容詞「有り難し(ありがたし)」の連用形「有り難く(ありがたく)」がウ音便化し、ありがとうとなった。 「有り難し(ありがたし)」は、「有る(ある)こと」が「難い(かたい)」という意味で、本来は「滅多にない」や「珍しくて貴重だ」という意味を表した。

語源由来辞典から (http://gogen-allguide.com/a/arigatou.html)

Chancy村の春

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その気持ちが奇跡を引き寄せる

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【その時不思議なチカラが働きました】

”あきらめませんでした、全力を尽くしました”– 冒頭の言葉はそれに続く言葉です。2017年3月、大相撲で優勝した稀勢の里の優勝インタビューでした。

先場所で優勝し横綱になった彼です。横綱として初めての場所で終わり近くに怪我をして既に二敗、辛かったと思います。

この言葉は全力で闘う人に共通です!

奇跡があるかどうかはわかりません。もし奇跡があるとしたら、それは自分で引き寄せるものではないでしょうか?

あきらめない、全力を尽くす気持ち、そこから出る行動が少しづつ周りを変えて、奇跡のような結果を引き寄せるんだと思います。

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帰欧は暖かい布団から出る冬の朝のようなもの

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【そこにあなたの思い込みがひそんでいるかも知れない】

店の人の応対がひどくぶっきらぼうでした。

「どのビール?」、「どのサイズ?」

ビールやグラスを指さして次々に私に聞く彼女。

「なんて無愛想な!」

初め私はそう思い、次の瞬間気がつきました。

「あ、これは私の感じ方なんだ。」

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ベルギーのブラッセル空港でのことです。日本からジュネーブに帰る途中の乗り換えでした。

ベルギーには、一村一ビールと言えるほど様々なビールがあります。私はそのベルギービールが大好きです。だから、ブラッセル経由の飛行機に乗るときは、乗り換え時間に本場のベルギービールを一杯飲むのがとても楽しみです。

今回も11時間のフライトを終え、次のフライトの搭乗口近くにあったバーにやくやくと立ち寄っりました。

 

ヨーロッパに戻った最初の瞬間に出会った人が、バーのカウンターにいた女の人でした。

「どのビール?」、「どのサイズ?」

ビールやグラスを指さして次々に私に聞く彼女。

「なんて無愛想な!」

初め私はそう思い、次の瞬間気がつきました。

「あ、これは私の感じ方なんだ。」

二週間の滞日中、どのお店に行っても人々の応対は親切で丁寧でした。帰路は日本の航空会社のフライトだったのですが、成田からブラッセルまでの11時間、超のつくほど良く気がつき、そのうえ微笑みを絶やさないキャビンアテンダントの方々に11時間も面倒を見て貰っていました。

ついさっきまでこんな状態だったので、私の頭の方がヨーロッパモードに切り替わっていなかったんですね。

バーの女の人はぶっきらぼうでも何でもないんです。お店の人は自分はお客と対等と思っています。だから特別なスマイルもなければ敬語も使いません。というか、ヨーロッパの言語には日本のような敬語はありません。

けれどもそれは、すっかり日本の接客に携わる人々の優しく柔らかい対応に慣れきっていた私にとっては「え!?」と思うことでした。実を言うと、そこには軽い不快感さえありました。ヨーロッパではお店の人がお客と対等だということを忘れていた私には、「彼女の応対はお客に対しぶっきらぼう」と感じられてしまったのです。

この落差!

丁度、冬の朝、暖かいお布団(日本の社会)から抜け出ると部屋の空気(欧州の社会)が特別冷やっと感じられるように。

欧州に30年近くも住んでいる私ですが、今も学び続けていることを今回もまた思い出しました;

「自分の価値観で人を判断してはいけない」

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日本がボクを苦しみの底から立ち上がらせたースイスのある青年 (2)

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【あなたは自分の言葉で自分の考えを語っていますか?】

「マンガが大好き」という自分に気がついた時、どん底の苦しみから立ち上がる力を得たスイスの青年ラユンさん。彼と一問一答しました。テーマは日本。

日本のサブカルチャーが面白い、でも本音と建て前のあるところが嫌い。

ではその日本人の心の壁をラユンさんはどうやって乗り越えているんでしょう?

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思い思いの仮装が楽しそう!日本マンガナイト

栗崎 日本の面白さは何ですか?

ラユンさん サブカルチャーの多様なところです。都会と田舎、京都と秋葉原、伝統もポップカルチャーもあります。そういう対比が面白いと思います。

栗崎 では、日本の嫌いなところは何でしょう?

ラユンさん 一つは、本音と建て前があることです。それは日本人の自己防衛なんでしょうけれど。僕は日本語を話すから日本人の内心がわかります。

僕は、建前の答えを貰うのでなく、人と本音で話したいと思うので、会話の中で、「あなたはどう考えますか?」という問いかけを始めた。僕に自分の言葉で、自分の考えを語って欲しいと思って。

僕は日本人じゃないから、僕に何を言ってもそれを誰かに喋る危険がありません。そうやって、自分がイニシアチブをとって、信頼関係を育てて行きたいと思います。

二つめは、サービス業の人達が、まるでお客様の奴隷に見えてしまうところです。両者の立場が対等ではないのです。そういう精神は、スイス人には理解が難しいことです。

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ラユンさんは日本をよく見ている。

あなたは自分の言葉で自分の考えを語っていますか?

 

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日本マンガナイトにはスイス中から若者が集まる。この仮装も楽しみのうち!

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日本がボクを苦しみの底から立ち上がらせたースイスのある青年 (1)

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【あなたの「大好き」は何ですか?】

「自分はこれが大好き!」という生き方を通じて苦しみの底から立ち上がった青年がいます。

スイスの若者ラユンさんにとって、その「大好き」は日本のマンガやアニメでしたーーと、それだけなら驚くことはないかも知れません。けれども、ここまでどん底もそこからの這い上がり方も徹底している人は少ないと思います。

あなたの「大好き」は何ですか?

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「オタク?興味ない。自分はそういう人とは友達になれそうもないから。」

私はそう思っていた。

ラユン・ヒューリマンさんに会って、私は自分のモノの見方が狭かったと知った。(写真ラユンさん)

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ラユンさん(写真提供も)

ラユンさんは、チューリヒの公共交通局で働く、25歳の若者だ。

ラユンさんは、「日本は自分の人生を変えた」という。

彼のフェースブックの自己紹介は彼が日本語で書いたものだ。

「オタク文化の喜びを共有する事に情熱を注ぎ、ファンに日本文化を促進するために、イベント組織と共に活動しています。」

ラユンさんは、スイスのどこにでもいそうな好青年だ。日本で言うオタクという言葉にまつわる、漫画や昆虫など、何か一つのことに夢中になるあまり、引っ込み思案な性格とか、ちょっと変わっているというイメージは、彼にはない。

その彼が、自分はオタク、という。

え?なぜオタク?そもそも、なぜ日本に関心が向いたの?

私は、興味のかたまりになった。

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ラユンさんの住まい(写真提供 ラユンさん)

アニメから日本を知った。

ラユンさんが日本のアニメにのめり込んだのは、学校でいじめに遭い、苦しみ抜いた10代の終わりだった。

ラユンさんは性格の優しい人だ。スイスでは男の子は強い態度を見せないと、いじめに遭うという。彼は、いじめに耐えきれず16歳で学校を自主退学し、その後、進路を変えて職業学校に入学した。

しかし、そこでも再びいじめに遭うようになり、再び自主退学を余儀なくされた。17歳の時である。

二度の退学に、ラユンさんはすっかり自分に自信をなくした。毎日死にたいと思ったという。

遂に彼はあるクリニックに入院した。

やっと回復し始めた頃、彼は社会復帰を支援するプログラムに参加した。そこで出会った女の子が日本のアニメのファンだったことから、ラユンさんも子供の頃好きだったアニメを思い出し、再びのめり込んだ。

「どうして僕は、アニメを止めたんだ?」と思ったという。

スイスでは、ドイツのウェブサイトから、アニメを好きなだけ見ることができた(ラユンさんは、スイスのドイツ語圏の人だ)。そうして、アニメを通して日本に興味を持つようになり、日本についてもっと知りたくなった。

自分の大好きなものを見つけたラユンさんは、18歳になった時ハラが据わった。「自分の人生を創ろう、いじめに負けない自分になるぞ」と決心した。

彼は社会復帰を試みて、仕事探しを始める。二度の退学と入院歴のある若者に仕事はなかなか見つからなかった。180通の履歴書を送ったという。その中で、ただ一つ、スイス国鉄だけが、見習い社員として3年間働くオファーをくれた。(註:ここでいう「見習い社員」とは、スイス独特の教育制度の一部。職業学校に通いながら、週の大半は職場で働き、必要な技能を身につける。)

ハラを括った彼は、猛然と外国語の勉強を始めた。日本語、英語、フランス語を一度に学んだという。同時に、憧れの日本に行くお金を貯めた。

挫折を乗り越えてフクシマと出会った。

ようやくお金を貯めて日本行きの航空券を買った2011年、思わぬ災難に見舞われる。出発日は、東日本大震災の二週間後だったのだ。フライトはキャンセルとなり、初めての日本行きの夢は潰えた。ラユンさんはこれ以上ないほど、がっかりしたという。

けれども、彼はくじけなかった。そういう自分をなんとかしようと思った。そして、つらさに真正面から向き合った。

丁度、職業学校の卒業研究のテーマを選ぶ時期に来ていた。ラユンさんは、「フクシマの復興」をテーマに選んだ。学校の性格上、本来なら経済や産業に関するテーマでなければならなかった。けれども先生に相談すると、やってみなさいと励まされた。

ラユンさんは、英語と日本語で資料を集め、研究レポートを書いた。それは最優秀作品に選ばれた。

「小学生時代、ゲームばかりしてちっとも勉強しなかった僕ですが、優秀な成績でその職業学校を卒業しました。」と彼は言う。

更に自信を得たラユンさんは、「自分はもっとできる。」と思った。そうして、再び日本行きを志した。

2011年12月、ラユンさんは、遂に日本行きを果たす。真っ先に訪れたのは仙台、そして福島だった。その計画に両親は大反対したが、自分はあなた(福島の被災した人々)のことを考えているということを、行動で示したかったという。

福島では、原発被害による立ち入り禁止区域から2キロの場所まで行ってみた。涙が止まらなくて、2時間だけそこにいて東京に戻った。

彼は今でも日本に行くと必ずお見舞いの品を持って福島の被災地を訪れ人々を励ましている。

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福島の被災地を訪れたラユンさん(写真提供 ラユンさん)

ラユンさんにとってのオタクとは

ラユンさんは、アニメをきっかけに、オタクを知った。学生時代にスイスの“漫画フォーラム“で知り合ったアニメ好きの友人が、「オタク」といわれる人々のいることを教えてくれたのだ。

ラユンさんにとってオタクとは、「自分が情熱を傾ける“何か”に対し誇りを持つ人々」と映った。彼はそこに、アニメを好きになることで本来の自分にコネクトし、立ち直った自分と同じものを感じた。

そんなラユンさんだから、初の日本旅行では、仙台、福島の後に東京コミックマーケット(コミケ)を訪問した。(註:東京コミックマーケットは、世界最大の同人誌即売会。例年8月と12月に開催される。漫画、アニメ、ゲームを始め、現代日本の様々なポップカルチャーが一堂に集う場となっている。ウィキペディアより抜粋。https://ja.wikipedia.org/wiki/コミックマーケット

以来、彼は何度も日本を訪問し、オタクの同好の士と友人になり、コミケの常連となった。日本に行くたびにアニメに題材をとったポスターや、タオル、枕など色々な“グッズ”を買い、自分の部屋をアニメだらけにした。それを写真に撮ってウェブサイトに載せたら、いつの間にか「スイスのオタク」として、日本のオタクの間で有名になっていた。

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ラユンさんのコレクション(写真提供 ラユンさん)

ラユンさんはオタクをどう考えているか、ここで彼の言葉を引用しよう。

「僕はオタク人生を楽しんでいます。オタクとは、自分の大好きなことを持っている人のことです。僕は日本のアニメのイラストが好き。そこにイラストレータのパッションを感じます。技術もアートセンスも素晴らしい!」

「僕は、日本で『スイスのオタク』、『美少女ゲームをするスイス人』として有名になり、オタクたちのチャットにも登場するようになった。

やがて彼らは、僕を日本のオタクと比べるようになりました。

けれども、そういうことは、僕は嫌いです。それは、他人を自分の価値で判断することだからです。

僕はレッテルを貼られるのはいやです。

自分の好きなことを好きでいるのは、何も悪くない。そのままの自分でれば良いんです(Be yourself)。そう思ったとき、『よし、僕は日本のオタク文化を変えよう。』と決心しました。」

僕のしたいこと

そんなラユンさんだが、日本社会でオタクは必ずしも良く思われていないことを知っている。偏見にも気づいている。

彼自身、日本のオタクは自分の良いと思うことをやり過ぎる、と感じることがある。キモイ格好で秋葉原を練り歩くなど、これはどうかという行動をとるオタクもいる。彼、彼女たちは他のオタクや一般の人々の注意を惹きたいのだろうが、それもまた、他の人に自分の価値を押しつけていることになっていないかと思う。

だが、ラユンさんは、時にはそういう奇異な行動をとるオタクの内心もまた感じ取っている。日本のオタクは、人を、社会を、現実の女の子たちを恐がっているんじゃないだろうか、と。彼らは孤独なのだ。

ラユンさんは、それを変えたい。彼らが、自分の値打ちを自分で受け入れ、認められるようになるようになって欲しいと思う。

再びラユンさんの言葉を借りよう。

「僕はオタクである喜び、つまり、何か大好きなことがあるという生き方を通じて、日本の人達を力づけたいと思います。自分の価値を自分で認められるようになって欲しい。小さくなる必要は無いと気づいて欲しいのです。」

ラユンさんは、その気持ちをすぐに行動に移した。彼はツイッターなどSNSで毎日自分を語っている。彼は「自分はこうだ、こう思う」と語るが、他の人に自分のようにしなさいとは言わない。

ラユンさんは、自分は新しいオタクのモデル(ありかた)だと思っている。ツイッターで「スイス大使ラユン」と自分を名乗るのはそのためだ。

ラユンさんにとり、日本人は、オタクを通じて、なにか大好きなことを持っていることの喜びを教えてくれた人達だった。彼はその喜びを他の人達にも分かって欲しいと思う。その為に、日々行動している。人や社会に文句を言うだけでは物事は変わらない。行動すること、自分に出来ることだけで良いからーー彼はそう考える。

 「自分の夢を大事にして、自分の歩いてきた道を大事にして、諦めないでください。」というメッセージで、ラユンさんは話しを結んだ。

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