国際会議一年生の教科書(3)ジュネーブとかけて、フェイスブックと解く、その心は?

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【ジュネーブとフェイスブックの深い関係】

ぴーちゃん、この前の国際シンポジウムではどうしても自分から他の人に話しかけられなかったと言ってたね。

良いことを教えてあげる。他の人がぴーちゃんに話しかけてくる方法があるんだ。

え?と思うでしょう。

その種明かしはね、フェースブックと同じなの。

ジュネーブとフェイスブック?それ、何の関係があるの?

じゃあ、行ってみよーー!

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ここでは、ジュネーブ、つまり国際会議の場所という意味です。

国際会議とフェイスブックには、大きな共通点があるんです。

ジュネーブとかけて、フェイスブックと解く、その心は?

“自分から情報を発信しないと、情報は集まらない。”

国際会議でも、フェイスブックでも、人と知り合おう、他の人が何をして、何を考えているか知ろうと思ったら、まず自分から考えを述べる、つまり情報発信することです。

ハッキリした意見でなくていいのです。質問でも、コメントでも、また、議論するテーマに関係のあることなら何でもいいのです。自分の考えでなくても、テーマに関する情報、つまり、自分の知っていることでもかまいません。会議なら、議事進行についての質問でもいいと思います。

私は友人に誘われてフェイスブックのアカウントを作ったものの、何もせずに2年ぐらい放置していました。あれこれ使い方を研究していたら、あっというまに数時間たってしまいそうだったし、友人とどう繋がるのか、全くわからないし。まして面白さなんてわかるはずもありませんでした。

そんな状態でしたから、フェイスブックでつながる友人の数もごく少ないまま。たまにサイトを見ても、何もめぼしい情報は見つからず、という2年間。なぜフェイスブックに人気があつまるのか、理解できませんでした。今思うと、情報の来ない悪循環を自分で作っていたのです。こんな状態でしたから、フェイスブックを活用するなど考えも及びませんでした。

フェイスブックを俄然見直したのは、2012年のこと。私はボランティアで、あるグループをジュネーブで立ち上げました。その宣伝方法を模索していた時に、ある地元の友人が、「あなたのグループ発足を私のフェイスブックに載せてあげるわ。私は200人ぐらいの友人とつながっているから、その人たちには知って貰えるわ。」と言ってくれたのです。

まさか、フェイスブックが役に立つ?と思いましたが、実際に自分でもやってみて驚きました。思わぬ人々から、コメントや、「いいね」のサインが返ってくるのです。目からウロコが落ちました。自分から手を挙げると、人はそれを見て反応してくる。これが発見でした。

そうと気付くと、私も他の人の記事や写真にコメントしたり、「いいね」をクリックしたりするようになりました。そんな活動(?)が、少しづつ積み重なって友人の輪も拡がり、昨年の夏休みには、20数年ぶりに留学時代のクラスメートたちとジュネーブの近くで再会することができました。フェイスブックのおかげで、途切れていた繋がりが復活したのです。まさに、フェイスブックの原点みたいな経験でした。

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会議の合間に談笑する人々。こういう機会も大事です。(ITUにて)

では、会議の場合はどうでしょう?

国際会議の場合は、会議中に何か一言、発言することです。会議に慣れていなければ、会期中に一回でもいいのです。

すると、反応が返ってきます。その時すぐにではないかも知れません。でも、私は、後でコーヒーブレークの時などに、誰かが寄ってきて、「さっきあなたの言ったことですが、、」と話しかけてくれる経験を何度もしました。これがフェイスブックの「いいね」みたいなもの、つまり、共感や関心です。

そうなればしめたもの。そこからの会話の展開は、自分がリードしていけます。私の発言が話題の出発点なのですから。

この方法のいいところは、他の人の会話に無理に入って行かなくてもいいことです。私が待っていれば、他の人が話しかけてきてくれるのです。しかも、私のよく知っているテーマで。これで、言葉のハンデの壁は、だいぶ低くなります。

会議の場では、大抵の人には、新しい知人を作りたいという気持ちがあるものです。そういう人々は、他の人に話しかけるきっかけを探しています。だから、私がそのきっかけを提供するのです。

同じテクニックは、国際会議の他にも応用できます。なにかのコンファランスでもセミナーでもいいのです。自分が前に出て発表する場合は、他の人に自分を知って貰えますからそれでいいのですが、聞き手の場合はそうはいきません。そういう時、私は、一回は手を挙げて、質問でもコメントでも、何か一言発言することを自分への宿題にしています。

今回はテクニックめいたこと書きましたが、私は心とテクニックは深く繋がっていると思います。心があって初めて、テクニックは生きるのです。

心の目を、議論そのものだけでなく、他の参加者や会議そのものにも向けてみてください。議論にもう一つ自分の見解を加えること、テーマに関して自分の知っていることを他の参加者とシェアするということは、会議に貢献することにもなります。

こうして、会議は一人一人の参加者が作り上げていくのです。

掲載: ITU ジャーナル Vol. 43, No. 6, 2013年6月

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国際会議一年生の教科書(2)発言は出だしが大事

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【これだけは身につけて、きっと役立ちます】

ぴーちゃん、この前は、私は発言する前にまず手元にメモを作り、要旨を書き出してから手を挙げる習慣を身につけたという話をしたよね。

私は20年ぐらいの間、国際機関、NGOなどでいろんな国際会議の経験を積んで来た。けれども、準備が大事だということは今も変わらないのよ。

きょうは発言のしかたについて話そうか。

発言のコツやはなしのまとめ方は、ひとりひとりの個性や経験により様々なもの。私がこれから話すことは、ひとつの例として聞いてね。

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発言は出だしが大事です。

出席者が10人に満たないような小規模の会議ならともかく、会議の規模が大きくなるほど、発言者の伝えたい細かなニュアンスは伝わらなくなるものです。日本語のコミュニケーションは、相手の気持ちを思いやる細やかなニュアンスに満ちているますが、国際会議の大きな会議場では残念ながら、それは伝わらないと思って下さい。

そもそもあなたの発言を聴く相手があなたと同じ文化を共有していないのです。言いたいことをハッキリ言わなくてもわかってくれる人は、ここには誰もいません。

その上英語は会議に出ている大多数の人にとって自分の母語ではないのです。

一度や二度の発言で細かいニュアンスまでわかって貰うことは諦めましょう。

国際会議を見ていると、言葉は平易で、発言内容の論理構成は単純な方が、発言の主旨は良く伝わることがわかります。英語を使い慣れていない人々にも分かり易い語彙で話す、発言の論理は、聴き手にフォローしやすく組み立てる、この二つを心がけると大勢の人々にあなたの意志が伝わりますね。

伝わることは、理解の第一歩です。

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国際会議開場の一コマ (世界電気通信連合, ITU、ジュネーブ)

ではどうやって?

発言を聴く相手の心構えを、最初に作ることです。例えば発言を始めるときに、よくこういう言い方をします;

「私は、○○について、三つの点を申しあげたいと思います。」

その応用形としてこういう言い方もできます;

「私は、○○について、一つの質問と、一つの意見(Observation)があります。」

つまり、このようなやり方で、聴き手に私のメッセージをフォローする道筋を作る、言い換えると、あなたの発言を聴く枠組みを最初に提供するのです。

もう一つ大事なことがあります。

ゆっくり話しましょう。

私は子どもの頃から早口でした。母には、「もっとゆっくり話しなさい」とよく言われました。こういうことは、自分では意識していないので、どうも困ります。けれども、会議の時は、早口は相手に理解されない結果を招くので、結局はあなたの損。ゆっくり話すことを心がけましょう。

国際会議の場では、誰でも緊張します。そこに英語の苦手感が加わると、人は早口になってしまいがちです。

どうぞ、リラックスして下さい。ゆっくり話して恥ずかしいことは何も無いのです。それどころか、あなたの発言が聴き易くなり、英語の苦手な多くの出席者には感謝されるでしょう

発言するのは、他の人に自分の意見を分かってもらうためです。賛成反対は、分かってもらった後のことです。

もう一度言います、発言は出だしが大事です。

発言の出だしを工夫すると、あなたの言いたいことが分かって貰えるようになります。すると、会議が面白くなります。

掲載: ITU ジャーナル Vol. 43, No. 5, 2013年5月

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