国際会議一年生の教科書(1)国際会議に慣れる三段階

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【国際会議に慣れる道筋?はい、あります】

ぴーちゃん、あれから英語の勉強は進んでる?

勉強を続けてジュネーブの国際会議にも来てね。

今日は私がどうやって国際会議に慣れていったか、お話ししましょう。まず、物事には何でも段階を踏んで慣れていくというお話しから。

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私の最初の国際会議は1985年に遡ります。NTTに勤務していた頃、日本代表団の一人として世界電気通信連合 電気通信標準化部門 (ITU-T) 第二研究部会 (SGII) という、通信技術やサービスの標準化を検討し勧告を作成する会議に出席しました。

それから幾星霜。あの頃は自分が将来ジュネーブに住むことになるなんて思っても見ませんでした。

 

ITU-RAG_2017
ITU会議場にて。日本代表団のKさん(右)と筆者(左)、2017年

国際会議に慣れる三段階

私がITUの会議出席のため年に二回東京からジュネーブに行くようになった頃のことです。

ある通信業界の新聞のコラムで、「国際会議参加者には発展三段階がある」という説を読んで、大変納得したことがあります。

第一段階は、必死で議論についていくだけで精一杯の時期

第二段階になると、自分の意見を言えるようになる。

更に会議に慣れると、自分の意見だけでなく、会議の進行全体に貢献するような発言ができるようになる。これが第三段階。

自分の経験に照らしても、これは言い得て妙だと思います。

1985年3月、初めてITUの会議場に着いた日、今まさに始まろうとしている未知の経験への期待と興味で私は胸がいっぱいでした。国際会議場ロビーに整然と並ぶ何百もの郵便箱(ピジョンホール、“鳩の巣”と呼ぶのだと、会議の先輩から教えられました。会議で使われる膨大な量の文書を参加者に配布するために個人に割り当てられます。)に感心し、会議場の広さに圧倒されました。

会議が始まると、私は会議特有の用語には不慣れ、周りの参加者の誰も知らず、ひたすら必死でノートをとるだけで精一杯でした。その頃の私の目には、自分しか見えていませんでした。

出席回数を重ね、徐々に会議に慣れてくると、自分の担当している課題に関しては、議論の内容や流れが段々わかるようになります。そうすると、「ここでは○○を言わなくちゃ」という機会も出てきて、私も少しづつ発言するようになりました。

また、自分の発言できる会議の規模も変化してきました。初めは、テーマを良く理解でき、その上少人数の課題別専門家会合(ワーキンググループ)で、しばらくしてから、三桁の人数が集まる全体会合で、というように。

たとえ一回の短い発言でも、十分に内容を考え、手元に英語のメモを作り、と、しっかり準備をしてから手を挙げる習慣ができてきたのもその頃です。後に慣れてくると、準備がだんだん簡単になり、臨機応変に近づいていきました。

幸い英語で話すことには抵抗がなかったためもあり、第二段階の入り口には、3回目ぐらいの会議で行き着いたと思います。それでも発言が終わった途端、自分の言ったことは皆に通じただろうか、言いたいことをすべて整然と言えただろうか、などと不安でした。

第三段階まで行くには、少し飛躍する必要がありました。会議の進行に貢献する、議事が円滑に進むような提案ができるためには、一段高い目線を持って会議全体を見渡していなければならないし、また、その会議の持つ空気にも充分慣れている必要があるからです。

これは、単に会議場の空気に慣れるだけではできることではありません。議論の内容の理解はもちろん重要ですが、それだけでなく、会議の常連参加者と馴染みができ、ある程度の信頼関係ができていること、また、会議のプロトコルというか、会議に特有の手順もある程度分かっていないと、なかなかこういう発言をする度胸はできないものです。

私も含め日本人は、学校時代から社会人になるまで議論によるコミュニケーションの練習を充分に積んできているとは言えません。欧米の人々を見ていると一層強くそう思えます。そのため、会議に充分に慣れていないと、会議全体を見渡した上での発言はなかなかしにくいのではないでしょうか。本当はそこまで大きく考えず、会議が滞りなく進んで行くような発言をすればいいのですが。いざとなるとなかなかできないものです。

けれども、その心の壁を乗り越えてこの段階まで来ると、自分が国際会議を進めるために出席する他の人々と一緒に仕事をしているという実感が湧いてきて、楽しくなります。

国際会議もまた、「習うより慣れよ」ではないかと思います。いろいろな場所で経験を積むにつれ、発言にも多様なニュアンスを使い分けられるようになっていきます。これはもう、「慣れ」の功績です。そのためにも、同じ会議に参加する他の人々と、休憩時間などを利用して、他愛ない話であれ何であれ、話しをして、互いに知り合っておくことは、自分の心の緊張を和らげるために、大変役に立ちました。そのことについては、また後日、稿を改めて書くことにしましょう。

掲載: ITU ジャーナル Vol. 43, No. 4, 2013年4月

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投稿者: Yoshiko KURISAKI (栗崎由子)

I am Yoshiko Kurisaki, Japanese, executive consultant specializing in cross-cultural management between Europe and Japan. Being based in Geneva, I travel between Europe and Japan. Culture may be a stop factor in business. That said, if you go beyond that, culture is a vaIuable source of inspirations and innovation. I help European businesses to turn cultural barriers to innovation.   栗崎由子(くりさき よしこ)、ダイバーシティ マネジメント コンサルタント。二十余年間欧州の国際ビジネスのまっただ中で仕事をしてきました。その経験を生かし、日欧企業むけにビジネスにひそむ異文化間コミュニケーションギャップを解消し、国籍、文化、性別など人々の違いを資源に変えることのできるマインドセットを育てるための研修やコンサルティングを行なっています。文化の違いは”面倒なこと”ではなく新しい価値を生み出す源泉です。日本人の良さを国際ビジネスに生かしながら、違いを資源に変えて価値を創造しましょう。ジュネーブ在住で、日本とスイスを往復しています。

“国際会議一年生の教科書(1)国際会議に慣れる三段階” への 3 件のフィードバック

  1. 栗崎さん
    国際会議〜とっても別世界の縁のないことだと今まで思っていましたが、可能性というものはどこまでもあるということを栗崎さんのおかげで実感できます。
    会議の慣れは、はじめての場所に行ってその場所に慣れるまでの過程にもとても共通するところがありますね!
    やっぱり大切なのは、「なんのために私がここにいてできることは何なのか?」ということを考えることだと思いました。
    でもこれ、あたりまえな気がして多くの方がわざわざ考えていないことも多いんじゃないかなと思います。
    この「わざわざ」結構大事。って栗崎さんの投稿を見て考えておりました。
    ありがとうございます😊
    ぴーちゃんより

    1. ぴーちゃん、
      感想をありがとう。国際会議を自分事として捉え直してくれてとても嬉しいです!
      場の雰囲気に気圧されてちいさくなるのではなく、「自分のココでの役目はなにか?できることは何か?」と考えると、急に人生が開けてくるよね。そういう考え方は、国際会議でも何でも同じだね。これからも、「わざわざ」考えよう!

      1. ではGSWもこの意識で行きます!
        スタッフですがよろしくお願いします(^-^)

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