アクセシビリティーと国際標準 会議始まる。

今日、11月3日から、久しぶりにICT関係の国際ワークショップに参加しています。テーマは、”アクセシビリティーと国際標準の果たす役割”。技術標準化活動を行う、三大主要国際機関であるITU, IECISOの共催です。アクセシビリティーの中でも、身体障がい者が、日常使う様々な物品、建築物、携帯電話やウェブなどICTシステムを、何の支障もなく利用できるようにするために、技術標準化は何を目指し、なにを行うか、を取り上げて三日間議論します。

テーマが、技術と、人(身体機能に不便のある人々)とにまたがるので、双方の専門家が、世界中から集まっていて、私にとっては興味深い会議です。立場、日頃の活動領域の違う人々どうしの対話のなかから、私の目を開いてくれるような、きらりと光るヒラメキが舞い上がるのではないかしらと、ワクワクしています。

ひとつ残念なことは、ここに、日本のICT企業が一社も参加していないこと。通信キャリアも、メーカーもおられません。日本では、NTTドコモ社の出した、「らくらくホン」が、目や耳の不自由になったお年寄りに人気を博しているそうですが、それを語るのはフランス人の技術専門家。彼は、「らくらくホン」の実物を見たことがないので、話しに説得力を欠くのは仕方ありません。それでも、そういう話しが他の参加者には役立つのは、他の人々は彼よりもっと日本のことを知らないからです。

日本はー企業も個人もー日頃から積極的に、気前よく、かつ小まめに情報提供をしておかないので、こういう場面で、モノはあるけれども、人の顔のないクニになってしまいます。

ヨーロッパでは、アクセシビリティーについての欧州レベルでの法的枠組みは、既に3-4年前に整備されました。現在は、ICTの面でも公平なアクセスへの社会的関心が増え、EU加盟国やスイスでは、公的資金援助などのおかげもあり、いろいろな試みが始まっています。今回の会議では、それぞれの主催機関で扱う標準化のテーマが議論されることになっていまるが、それも、このような欧州での流れを受けてのことでしょう。”欧州は世論が固まった。では、世界に出て行こう”という時に、日本の専門家が入っていないのは、残念です。

同じアジアでも、中国、韓国の専門家は参加していました。彼らの世界を市場にしようとする意気込みが、きっとこういうかたちで現れているのですね。

アクセシビリティーと国際標準 会議始まる。”へ1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA