シチズン サイバースペース サミット、ロンドン, 9月2-3日 ー私が期待する理由

T 様、

昨日ご紹介したLondon Citizen Cyber Space Summite にご関心を持ってくださって、ありがとうございます。

仰るとおり、このコンファランスに出席するために、それが何者かを説明する必要があるご事情はよく分かります。私の言葉では充分ではないと思いますがーーどんなアイデアが飛び出すか分からない、ダイナミックなコンファランスを定義するのは難しいですーーとにかくトライしてみましょう。

キーワードは、クラウドコンピューティング、Distributed computing.それを利用するものの側から言うと、Distributed thinking, collective thinking. その発想のベースはSNSと同じだと私は見ています。不特定多数の人が、ネットを介して繋がる、それの生み出す力です。

Citizen Cyber Centerの志は、コンピュータの力を繋げて、大きな力にしよう。SNS (SOCIAL NETWORKING SYSTEM) のように、同学の人々が集まって、ネットで繋がって、知恵を出し合い、一人ではできない、けれども不特定多数の人の知恵を集めて、新しい知を生みだそう−ーということにあります。

性能の高いコンピューターを、それを買える人が所有する時代は終わりつつあります。ネットに繋がった無数のパソコンの余剰情報処理力を利用し、クレイコンピューター以上の演算力を生み出すことが可能になりました。ーー>BOINCを利用した、seti (at) homeはその先駆けです。その開発者、David Andersonもスピーカーとして参加します。

ということは、Citizen Cyberscience Center の一つの目標でもあるように、発展途上国の科学者とその予備軍たちにも、科学リサーチに参加するチャンスが生まれるのです。一台のスーパーコンピューターを買えなくても、学問の世界の身分制度のためにそこに手が届かなくても、自分の研究ができる。なぜなら、ネットに繋がる、ボランティアたちの提供する無数のパソコンの小さな力を膨大な数だけ集めて、大きな演算力を手にすることができるからです。コンファランスではそのような例が幾つも語られます。SETI at Home, Einstein at Home, Malariacontrol.net, etc.

一方、ネットに繋がったPCを提供するのは、何万人ものボランティアたちです。彼・彼女らはまったく個人の意志で、BOICを使った様々なプロジェクトに参加しています。人は面白がりながら、そこに参加する、、そういう事実があります。そこには、科学に対する取り組みの方法を変える、大きな可能性があります。科学は象牙の塔を出て、不特定多数の人々の提供する、大きなエネルギーを纏おうとしています。それを可能にした、または、出現させたのが、ネットの普及なのです。

ここでは、ネットワークのとらえ方が斬新なのです。ネットと情報と、知の誕生と、そういうものを分けて考えないところが、Citizen Cyberscience centereのそもそもの発想です。

このコンファランスにご参加になる方ですが、技術系の方はもちろん歓迎ですが、かといって、そういう方に限る必要は無いと思います。専門分野を超えて、マルチにモノを見られる方、柔軟な発想を積極的に楽しめる方、そんな方には素晴らしい脳の刺激になるのではないでしょうか。私が T さんをパッと思い出したのはその為です。

このコンファランスが目指すのは、アイデア作りだと私は見ています。参加者は何かを教わるのではなく、自分も参加すること、一言でいい、発言することによって、知の創造に参加すること、それが目的だと思います。

そういうダイナミックなプロセスこそ、今、ネットワークの将来を見通そうとする人々には、必要なのではないでしょうか。

今回のコンファランスには、そういうネット時代の科学、SNS時代の科学の可能性を引き出そうとする人々が集まっています。

コンファランス会場をご覧ください ーー> Anatomy Theatre Museum. 新しい発想を生み出すべく、こういう場所を作ったイギリスも、やっぱり凄いと思います。

不十分ながら、私のご説明で、このコンファランスに私の見る価値を、少しでもお分かり頂けたら、大変幸いです。

なお、私は、2日目の9月3日だけ、参加することに致しました。2日には他の用事でロンドンにいるのです。フライトを1日延長できたことだけでも、とても幸いでした。

T さんもご参加になれるますように!

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