30年ぶりに戻ったら (52) — 日本て際限なくきめ細やか

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【この手間を日本人は惜しまない!】

同じ日本人の私がこういうのもナンだなあとは思うが、時々「日本人て凄い!」と目を剥くことがある。

まず下の写真をご覧あれ。

ただの荷物タグ?日本ではそうかもしれない。しかし、こんなの私の知る限り、ヨーロッパじゃ考えられない。

先日羽田から神戸に飛んだとき。ラップトップをチェックインする旅行カバンの中に入れた。
神戸の空港で出て来た我がカバンを見てビックリ。いつのまにか、2枚意味ありげな紙がタグに追加されている。

1枚の紙には、「パソコンが入っているから取り扱いに注意せよ」ここまではいい。

2枚目を読んでビックリ😲。

「もしもあなたのパソコンが輸送中に何らかの毀損を受けていても当方の責任ではありません」

念には念を入れてある。そのために、荷物が私の手を離れてから2枚の紙(シール)を追加した人がいる。この手間を日本人は惜しまない!

パソコンをチェックイン荷物に入れられるかどうか、ヨーロッパの空港で混乱していたことがあった。

2017年夏のこと、ジュネーブ→アムステルダム→ロンドン ガトウィック→ジュネーブの旅をした。

出発点のジュネーブ空港ではいつもどおり何も聞かれなかった。私もそれがアタリマエと思って、マックをチェックイン荷物に入れていた。

ところが、アムステルダムの空港では、ダメと言われた。そんなこと言うのはあんたが初めてよ、と航空業界の常識をチェックインカウンターの係の人に教えても埒があかない。やっと閉めたトランクをチェックインカウンターの前で再びご開帳し、マックを取り出して機内に持ち込むバックパックに詰め替えた。ふう。😚

ロンドンからの帰路はアムステルダムで懲りていたので、もうこわごわだった。チェックインカウンターではトランクにマックが入っていることは何も言わなかった。寝た子を起こすな。
この食い違いは空港の問題か、路線によるのか、エアラインのポリシーによるものかは今もわからない。

とにかく、注意書きを2枚くっつけようと、重いマックをチェックインさせてくれるエアラインが私は好きだ。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:人生はあなたが大雑把でも結構続いていくもの。視点を高く持とう。

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30年ぶりに戻ったら (51) — 英文ビジネスレターに上達するためのたった一つの秘密

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【怒りのエネルギーを使いなさい】

英語で仕事をして30年。あらゆるニュアンスのビジネスレターを書けるようになった。ほんと、これも量稽古。

今日は、むかあ!とすることが2件あった。どちらも英語でやり取りする人が相手。

このまま黙って引き下がるような私じゃない。30年間、何度も布団被って悔し泣きしてきたオンナの意地が廃れるではないか。

引っ越しの保険会社に向かって、「この賠償金額のオファーは何事か。理由を説明せよ。」

契約書の更新をオファーしてきた某会社に向かって、「これは私の業績をないがしろにするということか?あなたの会社のポリシーに反するのではないか?」

ここで気がついた、私は怒ったときほど良い英文レターを書く。そうか、怒りってエネルギーなんだ。

ヨーロッパでは書いたもので仕事をする。そういうところでは、同僚同士の争いもメールのやり取りになる。怒りのメールが二人の間を飛び交うのだ。

英語はビジネスに適した言語とつくづく思う。思ったことを率直に書くほどよく伝わる。

わたしの日本語メールに「あ!キツイ!」と思われた方、お許し下さい。英語の脳で日本語を書いてるんです。😨

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:怒りはエネルギーだ。それをエンジンにして人生を肥やすこと。転んでもただで起きてはいけない。

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30年ぶりに戻ったら (50) — 傘は日本文化だ

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【あなたは傘立ての美に気がついていますか?】

傘は日本文化だ

日本の傘は世界一と思う。美しくて、丈夫で値段が手頃だ。随分色々な国に住んだり旅行したりしてきたが、こんなに傘の種類の豊かな国はない。

そして傘にまつわる作法と小物もまた日本独特。

先日、何十年ぶりに訪れた上野の都立美術館。入り口で建物と同じぐらい美しい傘立てを見て感動した(写真)。この現代美術館建築の粋を集めたような施設にさえ、というか、だからこそ、こんな見事な傘立てがある!パリのルーブルやオルセー美術館にこんな景色はなかった。
傘を持ってきた人は、個々に傘を預け、カギを手にして建物に入る。そのカギの作りは簡単で、きっと壊すのも簡単に違いない。なのに、カギを壊してここに置かれた美しい傘を盗む人がいないのだ、この国には!だから傘立てというものが存在できる。つくづく安全な国だと思う、日本は。

そして傘袋ーーこれは日本にしかない製品ではないか?

デパートの傘売り場で数々の傘袋を初めて見たとき、その美しさとつくりに感心したものの、誰がお金を出してわざわざ傘袋を買うのか、首をかしげた。

傘袋は長い傘(折りたたみ傘ではなく)のためにある。長い傘を持って歩くときは家を出る時から降っているときだ。いつ傘袋を使うんだろう?

先日朝から雨の降った日に長い傘を持って出て、傘袋の必要なわけがわかった。

日本は、というより、東京はという方がいいと思うが、電車に乗る時間が長い。そのうえ電車がいつも混んでいる。たとえ昼下がりの、ジュネーブならトラムががらがらに空く時間でさえ、あの長い総武線の電車のどの車両の座席も埋まっている。

混んだ電車に長時間濡れた傘を持って乗るとき、傘袋は重宝だろう。傘を傘袋にしまえば隣の人の衣服やバックを濡らさないよう気遣わなくてもいい。

こんな発想、ヨーロッパにはなかった。雨の多いというロンドンだって、こんな素敵な傘文化は見かけなかった。

何でも器用に美しく作る日本人が高温多湿な夏を何世紀にも亘って過ごして来たとき、こんな傘文化が育ってきたんだろうな。

皆さん、日本に来た外国のお友達には傘をお土産に勧めてあげるといいですよ。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

2018-08-23傘立て

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学びのポイント:あなたがアタリマエと思って気づきもしないコトの中にあなたの持つものの価値があるかも知れない。

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30年ぶりに戻ったら (49) — なぜ直接言わないの?

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【独り相撲をとらなくていいから】

この夏はアジア太平洋地域のプロのファシリテータの国際シンポジウムの準備に明け暮れた。

その中で、私や数人のボランティアたちは、自信あるプログラムを引き下げて色々な国から参加するファシリテータのセッションを担当した。一つのセッションに一人の日本人ボランティアが付く。アカウントマネジャーみたいなものである。

シンポジウム開会まで一ヶ月となった頃、ファシリテータたちに色々な連絡を取り始めると、返事の早い人、遅い人、返答のこない人、など個人差が出てくる。当然、日本人ボランティアたちは気をもむ。

セッション担当ボランティアたちとそういう情況を話し合っていて気がついた。こんな会話が多いのだ。

「Aさんは忙しいんだろうか?」
「Bさんは出張が続いていると言っていたが、、」

おお、ここにも日本文化が!😲

相手の内心をおもんばかり、率直、ストレートに言葉をかけるのを大いにためらうという心配りが、ビジネスにも顔を出している。

ヨーロッパの人なら、こういうためらいはない。

すぐに聞く。「お返事が遅れていますよ」

催促がましいと思われたくなかったら、「あなたの都合も尊重しますが、私にはいついつまでに○○の準備をししなければならないのです。」などという一文を付ける。

相手の内心は自分にはわからない、だから相手にものを尋ねてよい。

尋ねられた方もそのつもりでいるので、催促されて小うるさいとは思わない。

文化によってニュアンスの違いはあれ、日本と比べると大同小異だ。それが英語であれ何語でれ、ヨーロッパの言語を使うコミュニケーションの心構えだ。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:自分の知らないこと、わからないことは率直に尋ねよう。そこに相手を尊重する気持ちがあれば、相手の反応を怖がらなくていいのだから。

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30年ぶりに戻ったら (48) — どっちが清潔?

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【上には上が】

夕方、近所のスーパーマーケットで買い物を終え出口にカゴを返しに行ったときのこと。男性の従業員が、スーパーのプラスチックのカゴの中を一つ一つ拭いているではないか!😲こ、この清潔好きは、、、日本人て凄い!

それで思い出した。

日本を出て最初に住んだのはパリだった。週末の朝マルシェ(市場)に買いものに行く道すがら、買い物カゴとバゲットを手に持って歩いていく人々を見かけた。バゲットは袋に入ってもいなければ紙に包んでもいない。そのまんま。

ひゃーー!と思った私はパリ初心者だった。

パリ暮らしに慣れるにつれ、いつの間にか自分も同じことをしていた。

そんな私でも驚いた街がある。ダブリンのスーパーマーケットだ。パンを買うのに袋も何もない。欲しいパンを直に店のカゴに入れ、レジに持って行く。お客はレジにパンをポンと投げ出す。レジの人はそれを見て金額を機会に入力する。

ひゃーー!上には上がある!

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学びのポイント:何かに一回呆れる度に自分が何を「これがフツー」と思いこんでいたかに気がつく。それだけがすべてじゃない、他のあり方もある、と気付くと肩の力がまた一つフッとぬける。

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30年ぶりに戻ったら (47) — あなたは隣人の気持ちがわかりますか?

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【なぜわからない?でもわからない】

先日イランに住んだという方とお話しする機会があった。それで思い出したことがある。

庭園や壁画、彫刻の美しいイランの文化に私はすっかり魅せられてしまった。それとは別にこの旅行で一つ発見したことがある。

それはこういうことだ。

イランに入国した途端、女性は頭にスッポリスカーフを巻かなければならなかった。髪の毛が見えてはいけないと言うからかなり深く巻く。たとえホテルの中であっても、部屋の外では常にスカーフを巻いていなければならない。

やってみてわかったが、これはストレスである。食事中も外せない。ここまで深く巻くスカーフは結構邪魔になるのだ。

私は英国の会社のツアーに参加したのだが、同行者の半数弱は男性だった。男性はスカーフを巻かなくて良い。

この男性たちがスカーフがうっとおしいものだということを全く理解しないのだ。彼らは礼儀正しい紳士なのに。私たち女性とずっとイランを巡る旅をしているのに。ご夫婦の方は妻がスカーフを巻いているのに。彼らには全くわからない。そのことに私は驚いた。そして悟った。

「人はすぐ隣にいる人であっても、その気持ちがわからない。経験しないことは他人ごとである。」

飛行機がテヘランから離陸してスカーフを外したとき、心からほっとした。これでもう、うっとおしいスカーフとお別れだ!

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント:人のふり見て我がふり直せ。

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サマルカンドのモスク。ウズベキスタン。イランではない。

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30年ぶりに戻ったら (46) — 税務署への暑く長い道

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【30年ぶりに戻ると 46】

税務署への暑く長い道

スイスに暮らしていて、この国の人々は「○○はせねばならぬことなんだからちゃんとやるべきだ」と思っているのではないかと感じることがよくあった。

例えば原子力発電所。スイスの電力の約70%は原発で生産されている。この割合は日本よりも高い。それが福島原発の事故を契機に将来のエネルギー源を考え直す気運が高まった。そして、今ある原発は寿命まで使用するが、その後はもう新設しないと決めたのである。

原発に変わるエネルギー源はまだ無い。太陽やら風力やらを使った発電技術を開発中である。

それでも原発をもう止め、と決めてしまった。それは止めなければならないものだから。

見上げたものではないか、この精神!

先日、用があってF氏を管轄する税務署に行ったとき、そういうスイス魂が思い出されてならなかった。

F税務署は電車の駅から歩いて15分。近くにバス停はない。

それは大変な道だった。まず私には歩いて行くにはちょっと骨の折れる距離だった。時に気温33度の夏には。道中半分の距離に歩道と車道の区別が無い。しかもその部分はクルマの行き交う県道だった。人とクルマが同じ平面上を行く。危険である。

それで、ついスイスのことを考えてしまった。

スイスならこんなことはまずないだろう。税務署や、病院、学校など公共施設の前には、必ずバスやトラムなど公共交通の停留所がある。

日本の名誉のために断っておくが、日本でも大抵の場合は、公共施設のそばにはバス停がある。

しかしスイスとの違いは、それが徹底している程度の差なのだ。スイスの場合は、ほぼ例外がない。だからF税務署のようなケースは考えられない。

そういうスイス魂を堅苦しい、融通が利かないと感じることもあった。

しかし8月の炎天下、汗と排気ガスにまみれてF税務署まで歩いたときは、あの頑なさの有り難みがわかった。

これはどちらが良い悪いという話ではありません。世界はこんなもんだということで。

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学びのポイント: すべきことはする、それを貫けばこれはこれでりっぱな行き方なのだ。

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